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進む円安! 長期化するのか?
●半年ぶりに1ドル140円台に
外国為替衣市場では25日、一時1ドル140円台まで円安が進んだ。約半年ぶりのこととなる。
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日経平均は5月22日にバブル期以来の3万円を超え、円安株高の流れが続いている。日銀は緩和姿勢を続けるとし、FRBは利上げの先行きが見通せない中、このまま円安が定着するのだろうか?
●円安の背景
FRBが利上げを続ける中、日銀が緩和を続けていれば、日米金利差で円安になるのはある意味当然の流れではある。
これまで米国の2年債利回りと円安が連動していたが、この2カ月は日経平均の上昇に引っ張られるように、円安が進んできた。
はっきりとした原因は不明な部分が多いが、6月1日がタイムリミットと言われている米国の債務上限問題が背景にあるとも言われている。
債務上限問題で交渉が決裂し、米国債がデフォルトとなれば、ドル不足となってドル高がさらに進むことが考えられる。それを見越してのドル買いで、円がターゲットになっていることも否定できない。
●気になる今後の展開
米国債がデフォルトとなれば、いつも通り“有事の円買い”となって円高になることも考えられる。デフォルトが決まれば、“セルザファクト”になることも想定される。
円安になることは日本にとっては株高になりやすいというメリットがある一方で、コストプッシュインフレが進むことは好ましくない。
6月から電気料金が大幅アップすることが決定しているが、円安がさらに進むこととなれば、さらに上昇することが避けられない。
支持率が好調な岸田政権にとって、物価高は無視できない課題の1つであり、政府・日銀による為替介入という手段を投入せざるを得なくなるかもしれない。
2022年9月と10月には合わせて約9兆円の円買い介入が実施された。150円を超えていたドル円は144円台まで円高が進み、一定の効果はあった。
今後さらに円安が進めば、口先介入のような牽制だけでもあるかもしれないが、今のところはそのような動きは無い。
いずれにしても、債務上限問題の動向と共に、円安円高双方に大きく動く可能性があるので、注意が必要かもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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