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10日の香港市場概況:ハンセン0.5%安で続落、不動産と銀行に売り
*18:00JST 10日の香港市場概況:ハンセン0.5%安で続落、不動産と銀行に売り
10日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日比105.38ポイント(0.53%)安の19762.20ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が51.90ポイント(0.77%)安の6683.23ポイントとそろって続落した。売買代金は988億320万香港ドルと低調が続いている(9日は1221億4020万香港ドル)。
前日の軟調地合いを継ぐ流れ。中国景気の持ち直しには時間を要するとの見方が広がっている。中国輸入の低迷などを受け、内需の弱さが指摘された。そのほか、米中のインフレ指標発表を前に、様子見ムードも漂っている。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国景況感の悪化などを背景に、「当局は景気対策を強める」との期待も根強い状況だ。また、本土マネーの流入も好感されている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、本土不動産の下げが目立つ。龍湖集団HD(960/HK)が3.9%安、中国海外発展(688/HK)が3.3%安、華潤置地(1109/HK)が3.2%安で引けた。
中国の銀行セクターもさえない。中国農業銀行(1288/HK)が3.1%安、中国工商銀行(1398/HK)と中国銀行(3988/HK)がそろって3.0%安、中国建設銀行(939/HK)が2.2%安で引けた。
スポーツ用品や酒造など消費セクターの一角も売られる。李寧(2331/HK)が3.1%安、安踏体育用品(2020/HK)が2.1%安、中国動向(3818/HK)が1.6%安、百威亜太HD(1876/HK)が2.7%安、青島ビール(168/HK)が2.1%安と値を下げた。
半面、自動車セクターは高い。長城汽車(2333/HK)が6.1%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が4.2%、北京汽車(1958/HK)が2.2%、吉利汽車HD(175/HK)が2.0%ずつ上昇した。ガソリン車メーカーにとっては、自動車排ガス規制の警戒感がやや薄れたことも好感されている。関係当局は9日、排ガス規制をさらに厳格化する「国6b」基準に関し、当初予定通り7月1日から適用すると正式発表。そのうえで、実際に路上を走行して排ガス評価するRDE(Real Driving Emissions)試験も新たに義務付けたが、「国6b」を満たす既存自動車の場合、RDE試験で基準達成できなくても半年間の猶予期間を与えると通知した。
ハイテク株も物色される。光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が3.3%高、中国EMS(電子機器製造受託サービス)大手の比亜迪電子(285/HK)が2.7%高、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(981/HK)が2.2%値を上げた。ハンセン科技(テック)指数は0.3%逆行高している。
一方、本土市場も続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.15%安の3319.15ポイントで取引を終了した。金融株が安い。エネルギー株、医薬品株、ハイテク株、運輸株、不動産株なども売られた。半面、自動車株は高い。電力設備株、素材株の一角も買われた。
亜州リサーチ(株)《CS》
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