8日の香港市場概況:ハンセン1.2%高で3日続伸、資源と金融に買い

2023年5月8日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 8日の香港市場概況:ハンセン1.2%高で3日続伸、資源と金融に買い
週明け8日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比247.72ポイント(1.24%)高の20297.03ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が99.93ポイント(1.47%)高の6897.68ポイントとそろって3日続伸した。売買代金は1080億10万香港ドルと低水準が続いている(5日は982億7470万香港ドル)。


商品市況高が追い風となる流れ。5日のNY市場ではWTI原油先物が4.1%高と急反発し、ロンドン金属取引所(LME)ではアルミなど主要非鉄の先物価格が上昇した。香港市場でも関連銘柄に買いが先行している。また、中国経済対策の期待感が持続しているほか、米地銀を巡る金融不安が薄らいだこともプラスだ。中国本土株が一段高で取引を終える中、香港の各指数も引けにかけて上げ幅を広げている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、エネルギー関連の上げが目立つ。石油大手3社の中国石油化工(386/HK)が5.9%高、中国海洋石油(883/HK)が5.8%高、中国石油天然気(857/HK)が4.0%高で引けた。


非鉄セクターも高い。中国宏橋集団(1378/HK)が3.4%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.2%、新疆新キン鉱業(3833/HK)が2.8%、江西銅業(358/HK)が1.7%ずつ上昇した。


中国金融セクターもしっかり。中信銀行(998/HK)が6.0%高、中国銀行(3988/HK)が4.6%高、中国工商銀行(1398/HK)が4.5%高、中国人民財産保険(2328/HK)が4.1%高、中国人民保険集団(1339/HK)が3.1%高、広発証券(1776/HK)が4.6%高、中信建投証券(6066/HK)が2.5%高と値を上げた。銀行については、利ザヤ改善の期待が改めて広がっている。中国では多数の銀行が預金金利を相次ぎ引き下げた。4月に公表された各商業銀行の年次報告書によれば、預貸利ざやの縮小が危険水域に入っていた実態が判明している。また、金融当局は商業銀行に預金金利の一段の引き下げを促したもよう――などと伝わっていた。


自動車セクターも物色される。理想汽車(2015/HK)が4.5%高、小鵬汽車(9868/HK)が4.4%高、蔚来集団(9866/HK)と比亜迪(1211/HK)がそろって2.1%高、で取引を終えた。乗用車販売の伸びが好感される。4月の販売台数は前年同月比で58%増加し、4月25日時点の見通し(49.8%増)を上回った。


半面、レストランチェーンなど外食関連は安い。呷哺呷哺餐飲管理HD(520/HK)が11.1%、九毛九国際HD(9922/HK)が6.8%、海底撈国際HD(6862/HK)が4.8%、海倫司国際HD(9869/HK)が2.9%ずつ下落した。


中国不動産セクターもさえない。融創中国HD(1918/HK)が6.5%安、碧桂園HD(2007/HK)が2.4%安、合景泰富地産HD(1813/HK)が2.2%安と値を下げた。各社の4月営業実績では、融創中国の不動産販売が前年同月比で40%減少し、碧桂園は成約額が前年並みにとどまっている。


一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.81%高の3395.00ポイントで取引を終了した。金融株が相場けん引。エネルギー株、素材株、公益株、ハイテク株、インフラ関連株、メディア・娯楽株なども買われた。半面、酒造株は安い。不動産株、空運株、小売株も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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