アフターコロナで戻る旅行需要、新たな不安も!

2023年4月28日 16:43

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●GWの国内旅行がコロナ前水準に

 ロイター通信によると、JTBの見通しでは、2023年のGW中の国内旅行者は前年比50%以上増の2450万人となり、コロナ前の2019年を超えるとみられる。

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 海外旅行も前年比4倍増となる見通しだ。コロナ規制の緩和がさらに進んだことが影響している。

 一足先にコロナ規制を緩和している海外の航空会社やホテルなども好調なようで、今年は中国のコロナ規制緩和も大きな追い風となっている。

●海外の旅行事情

 GWは日本だけだが、中国も5月1日の中国労働節(メーデー)に伴う大型連休で、中国人観光客の需要が見込まれる。

 ただ中国の労働節は、まだまだコロナ前とはいかないようだ。中国人観光客に人気の日本・韓国・タイなども以前の水準には程遠く、コロナ前の50%にも満たない。背景には航空券の値上がりや航空便数など供給面の課題もある。

 昨夏には、英国ヒースロー空港が人手不足などを理由に1日10万人という制限を設けるという事態があった。

 米国航空会社の昨年の決算は軒並み予想を上回る利益を出しており、今後も強気な需要見通しを続けている。

●新たな不安も

 コロナの不安がなくなってはいるが、旅行業界にとって新たな不安もある。

 それは物価高騰や、コロナ期にリストラしてしまったことによる供給体制不足、景気後退などである。

 日本は旅行支援があり、しばらく継続される見通しで、国内需要は引き続き強いだろう。

 日本に限らず、物価高騰の影響、通貨安の国にとっては、国内旅行で近場が選ばれる傾向にある。コロナ禍で人気だったキャンプやグランピングなどの屋外レジャーは減少傾向にあるそうだ。

 一方で、米ホテル大手チェーン・ヒルトンは景気後退により、2023年下半期にも旅行需要が減速する可能性があると述べており危機感がある。

 物価高が続いてしまうと、インバウンド需要にも影響を与える可能性もある。

 人手不足、物価高など旅行業界に限らないこれらのことを解決することが、強い旅行需要の継続にもつながるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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