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京都産業大学神山天文台、太陽系起源の謎に迫る企画展を開催
Tarda隕石の写真(画像: 京都産業大学の発表資料より)[写真拡大]
京都産業大学神山天文台(京都市北区上賀茂本山)は、私大が有する天文台としては最大となる口径1.3mの反射望遠鏡を備えた本格的な施設で、3月には文化庁から科学博物館としては関西の大学で初めて、「博物館相当施設」の指定を受けた。同大は18日、企画展「隕石×小惑星~太陽系の起源を探る~」を5月12日から開催すると発表した。
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隕石は太陽系誕生の謎に迫る情報がたくさん秘められたタイムカプセルだ。このような隕石の性質を科学者らは始原的と表現しているが、企画展では、隕石の中でもより始原的な炭素質コンドライトにフォーカスする。また近年、注目をあびているTarda隕石について、P型小惑星との反射分光特性の比較を行い、その起源について考察するという。
企画だけ眺めると、高度で難解な展示内容に感じられるかもしれないが、初心者にもよく配慮されている。隕石の分類に始まり、隕石の起源となった生まれ故郷についての解説、炭素質コンドライトに注目した小惑星探査と隕石のつながりについての解説なども、盛り込まれている。誰でも「太陽系の起源の謎」についての理解が深められる内容だ。
開催期間中の5月13日には、天文学講座「隕石が語る太陽系誕生の謎」が行われる。事前予約が必要だが、企画展と共に入場は無料で、定員は先着90名となっている。
隕石研究の分野は、「はやぶさ」「はやぶさ2」などによるサンプルリターンで、小惑星から持ち帰った試料の分析結果との比較が可能になったおかげで、最近は目覚ましく進歩。例えば、Tarda隕石について知ろうと思っても、ウィキペディアには項目すら存在しない。
今回の神山天文台の企画展は、その意味でもインターネットで入手が困難な最先端の隕石研究情報をキャッチできる貴重なチャンスになるだろう。期間は8月6日までとなっている。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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