28日の香港市場概況:香港大引:ハンセン1.1%高で3日ぶり反発、騰訊4.2%上昇

2023年3月28日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 28日の香港市場概況:香港大引:ハンセン1.1%高で3日ぶり反発、騰訊4.2%上昇
28日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日比216.96ポイント(1.11%)高の19784.65ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が81.08ポイント(1.22%)高の6729.76ポイントとそろって3日ぶりに反発した。売買代金は1061億3490万香港ドルに縮小している(27日は1271億9600万香港ドル)。


海外動向の改善が好感される流れ。昨夜の欧米市場では、金融システム不安の後退で、銀行株が大幅に値上がりした。NY市場では、原油先物が3日ぶりに急反発している。また、中国人民銀行(中央銀行)による資金供給の継続もプラス。人民銀は28日、リバースレポ取引を通じ、満期分との差引で960億人民元を市中供給している(前日は2550億人民元の供給超)。先週は吸収超だった。ただ、上値は限定されている。中国企業業績に対する不透明感が依然くすぶる状況だ。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(700/HK)が4.2%高、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が3.3%高、石油・化学大手の中国石油化工(386/HK)が3.1%高と上げが目立った。近く騰訊は対話型AI(人工知能)サービスを投入する――などと報じられている。


セクター別では、中国の自動車が高い。浙江零ホウ科技(9863/HK)が12.9%、小鵬汽車(9868/HK)が4.6%、長城汽車(2333/HK)が4.3%、理想汽車(2015/HK)が3.5%ずつ上昇した。


英国や香港に拠点を置く金融もしっかり。東亜銀行(23/HK)が2.2%高、HSBC(5/HK)が1.9%高、AIAグループ(1299/HK)が1.6%高、スタンダード・チャータード(2888/HK)が1.4%高で引けた。


石油や天然ガスのエネルギー関連セクターも物色される。上記した中国石油化工や新奥能源のほか、中海油田服務(2883/HK)が2.0%高、中国海洋石油(883/HK)が1.8%高、中国燃気HD(384/HK)が3.6%高、港華智慧能源(1083/HK)が3.0%高で取引を終えた。


半面、食品飲料やスポーツ用品など消費セクターは安い。康師傅HD(322/HK)が10.4%、統一企業中国HD(220/HK)が2.7%、中国雨潤食品集団(1068/HK)が1.4%、361度国際(1361/HK)が1.8%、中国動向(3818/HK)が1.6%ずつ下落した。即席麺・飲料大手の康師傅については、通期決算の3割減益が売り材料視されている。


他の個別株動向では、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が2.2%安。同社の22年通期決算は35%増益となったものの、粗利益率は低下している。また、23年上期は減収の可能性があると同社は説明した。


一方、本土市場は小幅に3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.19%安の3245.38ポイントで取引を終了した。ITハイテク株が安い。不動産株、素材株、公益株、保険・証券株、インフラ関連株の一角なども売られた。半面、石油関連の銘柄は高い。銀行株、医薬品株、消費関連株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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