ダイワ通信、邦チタニウム、モリテックなど/本日の注目個別銘柄

2023年3月7日 15:19

印刷

記事提供元:フィスコ


<6273> SMC 71510 -1220急反落。クレディ・スイス証券では目標株価を73750円から75090円に引き上げたが、投資判断は「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に格下げした。24年3月期は電気代や人件費上昇を受け、サプライヤーからの調達コストが上昇すると想定され、営業利益は前期比0.8%減と予想。短期的には中国需要回復期待や自社株買いによる株価押上げ要因があるものの、さらなるカタリストには欠ける状態が続くとみている。

<6471> 日本精工 778 +15大幅続伸。JPモルガン証券では投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価も800円から1000円に引き上げている。自動車向けは生産台数の回復、費用増の一服、価格転嫁の進展で収益改善が見込まれ、産業機械も工作機械や半導体向け需要が24年3月期上期には底入れ予想としている。収益改善局面(25年3月期予想)におけるPBR0.6倍は、過去最低水準となり魅力が高まるとしている。

<5406> 神戸鋼 1075 +59大幅続伸。大和証券では投資判断を「3」から「2」に格上げ、目標株価を1130円としている。鉄鋼・電力事業を中心とした実質増益・増配の方向感などを改めて評価するとしている。鉄鋼・非鉄・電線業界のサブセクターの選好順位として高炉は特殊鋼と並んでトップと位置づけ、値上げ進展に加えて、在庫循環や鋼材需要の観点から現在が当面のボトムになるとみているようだ。

<3401> 帝人 1472 +50大幅反発。SMBC日興証券では投資判断を「2」から「1」に格上げ、目標株価も1300円から1700円に引き上げている。経営施策の実行により増益基調へ転換する確度が高まったと考えること、アラミド繊維が全社業績の牽引役になると予想することを評価引き上げの背景に。24年3月期営業利益は435億円で6期ぶりの増益転換を予想している。アラミド繊維はタイヤの補強材用途で採用が増加しているようだ。

<5727> 邦チタニウム 2419 +338急伸。米国の大手展伸材メーカーと進めていたスポンジチタンの2023年輸出価格交渉が引き上げで決着したと伝わっている。上げ幅はドル建てで前年比20%程度となるもよう。原料となるチタン鉱石価格や製造過程で使う電力コストの急激な上昇を転嫁する。申し入れ価格の上限付近で決着したようで、収益性の改善につながるとの期待が先行。なお、先週には大阪チタの国内値上げ決着報道なども伝わっていた。

<8016> オンワードHD 368 +27大幅続伸。前日に発表した2月の月次動向がポジティブ視されている。既存店売上高は前年同月比34.7%増となり、2カ月連続での2ケタ成長、9カ月ぶりの高い伸長率となっている。店舗売上が同43.3%増と拡大したほか、Eコマース売上も同24.7%の増加に。前年同月に実施された行動制限がなく、実店舗への来客数が大幅に増加した。Eコマースでも、広告宣伝を通じた新規顧客の増加などが図れたもよう。

<4109> ステラケミファ 2906 +241大幅続伸。政府は韓国向け輸出管理の厳格化を解除する調整に入ったと報じられている。2019年7月に安倍政権が軍事転用リスクのある素材を韓国に輸出する際の優遇策の見直しを決めたが、経産省では、それ以前の状態に戻すべく、2国間の協議を速やかに行っていくとしている。同社が手掛けるフッ化水素も、以前は包括許可制度がとられていたが、現在は輸出案件ごとに個別審査を求める対象になっている。

<5986> モリテック 355 +42急伸。一時は51円高まで上昇。東京都がEV充電器の増設に本腰、2年後に全国で初めて新築マンションへの設置を義務付けるのに先立ち、2023年度は中古マンション向けの補助上限を2倍超に引き上げると報じられた。EV用充電スタンドを手掛けている同社にはメリット享受への期待が再燃する形に。都では、30年時点で都内マンションに設置済みのEV充電器を6万基と、21年度末時点の150倍に増やす計画も掲げる。

<7116> ダイワ通信 2020 +400ストップ高。回転寿司コンベア機の国内トップシェアメーカーである石野製作所と共同で、回転寿司店における迷惑行為の検知を目的としたAIシステムの開発に着手すると発表している。各座席にAIカメラを設置し、画像認識機能や行動分析機能を用いて迷惑行為を瞬時に検知、管理者へ通知するシステムを想定のもよう。将来的には、回転寿司店のみならず様々な形態の飲食店にも導入できるよう汎用性を持たせていく方針のようだ。

<8254> さいか屋 361 +23大幅続伸。前日に上半期の業績上方修正を発表している。営業利益は従来予想の32百万円から55百万円に増額、前年同期は130百万円の赤字であった。「大幅改装のための改装売りつくし」を藤沢店全館で開催、売上高が上振れる状況となっている。第1四半期は赤字決算であったため、インパクトは強まる形のようだ。なお、通期では特損の計上なども予定されており、上半期決算時までに公表としている。《ST》

関連記事