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NYの視点:米2月ISM製造業景況指数、製造業の低迷や根強いインフレの証拠に
*07:49JST NYの視点:米2月ISM製造業景況指数、製造業の低迷や根強いインフレの証拠に
米2月ISM製造業景況指数は47.7と、1月47.4から上昇も予想を下回った。4カ月連続で活動の拡大と縮小の境目50割れで、製造業況の低迷を示唆した。主要項目の新規受注は47と、1月の42.5から改善も6カ月連続の50割れで需要は依然低迷。同指数の雇用項目は49.1と、11月来の50割れとなり労働市場の雇用の減速を示唆したことは、米連邦準備制度理事会(FRB)にとり朗報となる。
同時に、仕入れ価格指数は51.3と、予想外に50を上回り昨年9月来で最高となった。インフレが予想程、速やかに進んでいないあらたな証拠となった。
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は1日のTVインタビューで利上げがサービス需要を減速させている兆候は見られないことを懸念とし、ピーク金利を12月時点での見通し5.4%から引き上げる可能性に言及。3月に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ幅は25BP、50BPどちらにもオープンマインドだ、とした。3月FOMCではスタッフの最新見通しも明らかになる。カシュカリ総裁は利上げ幅よりも、ピーク金利の見通しがより重要になると指摘。米アトランタ連銀のボスティック総裁もまた、米国のインフレが引き続き高過ぎ、経済には高インフレに対処するための十分な勢いがあり、インフレ抑制のため24年まで政策金利を5%-5.25%で据え置く必要があるとの考えを示した。
短期金融市場ではすでに23年9月に政策金利が5.5%に達することを織り込んだ。ドル上昇要因となる。同時に、欧州でも再びインフレ加速が明らかになっており欧中中銀のピーク金利も引き上げられているためドルの上昇ペースは抑制される可能性がある。
■主要中銀のピーク金利予想
FRB:6%
英中銀:5%
ECB:4%
■米2月ISM製造業景気指数
景気指数:47.7(1月47.4)、4カ月連続50割れ
仕入れ価格:51.3(44.5)、5カ月ぶり50超
新規受注:47(42.5)、6カ月連続50割れ
生産:47.3(48.0)、4カ月連続50割れ
受注残:45.1(43.4)
入荷遅延:45.2(45.6)
在庫:50.1(50.2)
雇用:49.1(50.6)、11月来の50割れ
輸出:49.9(49.4)
輸入:49.9(47.8)《CS》
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