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中計前倒し達成、ニッチでリッチなトリケミカルの内情
トリケミカル研究所(東証プライム。以下、トリケミカル)は、ニッチでリッチな企業。2022年1月期までの過去10期間の「前期比増収・前期比営業増益」はそれぞれ、9期に及ぶ。
【こちらも】トリケミカルが「ニッチでリッチな企業」と称される理由
総売上高の9割方を占めるIS半導体向けを筆頭に、光ファイバー・太陽電池・化合物半導体向けの高純度化学材料の製販を内外(台湾:約45%、韓国:約16%)で展開している(今期期初の海外売上高比率は89・3%を想定)。
前期の「18.1%増収、10.6%営業増益、22.5%経常増益、21.3%最終増益、68円配当」に続き今期も、「17.5%増収、14.2%営業増益、8.2%経常増益、9.9%最終増益、22円配(21年2月に1:4分割を実施、実質20円増配)」計画で立ち上がった。
そして前年同期比「22.0%増収、31.1%営業増益、43.3%経常増益、43.7%最終増益」の中間期開示時点で、通期計画を売上高(136億円)は据え置きも「21.7%営業増益(36億2100万円)、25.6%経常増益(36億1200万円)、26.8%最終増益(66億4800万円)」に上方修正した。
トリケミカルが語っているように「想定以上の円安で・・・」は頷ける。だがいささか青臭い言い方だがむしろ注目したいのは、本業の儲けをストレートに映し出す営業利益の増加。
実はここにトリケミカルをして、「ニッチでリッチ」と称される理由がある。半導体の製造時に使われる「成膜材料」「エッチングガス」「化学蒸着ガス」が主力製品。Si半導体向けで売上高の約9割を占めている。シリコンウエハの成膜工程や、シリコンウエハ上に出来た余分な成膜を削る工程で使われる。多品種少量生産。一連の製品は大企業が費用対効果で手を出しづらいが、不可欠なもの。大附聖社長も、こう語っている。
「最終製品の性能が上がるほど、高性能な半導体が必要になる。そこに不可欠な化学材料は少量。そこがフォーカスしているビジネス分野」。
2024年1月期に向けた中計は、2年前倒しで達成。「外部環境への変化の対応策や、更なる成長戦略の継続方策を検討の上」、23年1月期を初年度とする新中計を策定。「売上高165億円(22年1月期比42.6%増)、営業利益44億円(47.9%増)、経常利益67億4000万円(27.3%増)、純益51億7000万円(26.3%増)」を掲げている。ニッチでリッチへの道程だ。
時価2000円台前半に対し、IFIS目標平均株価3627円。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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