トヨタ、納車時のスマートキーを2個から1個に 2個目は用意でき次第

2022年10月28日 08:01

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トヨタブランドの削減されるスマートキー(画像:トヨタ自動車株式会社発表資料より)

トヨタブランドの削減されるスマートキー(画像:トヨタ自動車株式会社発表資料より)[写真拡大]

 トヨタ自動車27日、今後生産を予定している一部の車種において、納車時に通常2個の用意しているスマートキーを、当面の間、1個にすると発表した。

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 長引く半導体不足は、新車納期遅れが問題になっている。そこでトヨタでは、1日でも早くクルマをユーザーへ納車するための暫定的な措置として、スマートキーを1個で納車する。

 トヨタでは依然、半導体不足、および新型コロナウイルス感染による影響など、車両生産について、先を見通すことが難しい状況が続いているとしており、スマートキー1個にしての納車は苦肉の策と言ってもよいだろう。

 当面の間は、これまでスマートキー(電子キー+メカニカルキー)2個で納車していたものを、スマートキー(電子キー+メカニカルキー)1個とメカニカルキー1個の状態にて納車する。ただ処置は一時的なものとしており、トヨタでは2個目のスマートキー(電子キー)が用意出来次第、順次オーナーに渡すとしている。

 対象車種は、トヨタブランドでは、クラウン、カムリ、プリウス、bZ4X、RAV4、ハリアー、C-HR、アルファード、ヴェルファイア、ノア、ヴォクシー、ランドクルーザー、ランドクルーザー プラド、グランエースの14車種。レクサスブランドでは、LS、ES、IS、LC(Convertible含む)、RC F、LX、NX、UX、UX300eの9車種だ。

 半導体は、クルマだけでなく身近な商品にも数多く使用されている。スマホやテレビだけでなく、炊飯器や照明機器、トイレの温水便座などにも使用されており、生活には欠かせない部品となっている。特に自動車業界は、クルマの電子化が増えるにつれて半導体の量も増えているため、半導体不足の影響は深刻だ。

 だが世界を見渡すと、すでに半導体不足が解消に向かっていると言う話もちらほら聞かれる。特にパソコンやスマホの需要が、循環的な減少局面に入ったことが要因とされているほか、コロナ過のデジタル化の動きが一服したからだと言う意見もある。

 とはいっても、まだ新車の納期は時間がかかっており、新車購入で長く待たされているユーザーは多い。そこでトヨタは、クルマの使用に問題が少ないスマートキーのスペア分を削減することで、少しでも半導体不足による納期遅れを解消する試みに出たのだろう。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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