「ミューラル」ヌードをテーマに2023春夏ショーを開催

2022年9月14日 07:47

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記事提供元:アパレルウェブ

 村松祐輔と関口愛弓による「ミューラル(MURRAL)」が2022年9月12日、東京・池袋の自由学園明日館で2023年春夏コレクションを発表した。3年ぶりのランウェイショー形式でのコレクションとなった今回。“ヌード”をテーマに、ナチュラルでリアルなコレクションを見せた。

 

 デヴィッド・リンチの「ツイン・ピークス」に登場するフランク・ロイド・ライトの建築。きれいだがきれいすぎない、少しいびつさのある女性像を体現するため、選ばれたというライトが建築した自由学園明日館を背景に、庭の芝生を進むモデルたち。

 

 ヌードカラーや透ける素材のシリーズや、水の流れのような青や太陽のような赤を使った光るドレス、自然の緑を着てしまったようなスーツとブラトップ、花や植物をモチーフにしたプリントやテクニックを駆使した刺しゅうを使った様々なアイテム。色や素材、モチーフなどはこれまでのコレクションでもあったもの。だが、ヌードをテーマにしながら、今シーズンのトレンドのひとつ、女性の体の曲線をストレートに強調したり、以前のように透ける素材で体を見せたり、シグネチャーである刺しゅうやプリントを前面に出したりするのではなく、リアルなバランスに仕上げている。

 

 装飾のバランス、色の組み合わせ、コーディネート、ヘアメイクまでナチュラル。屋外で行われたこともあり、これまでも見せてきた風になびくドレスなども、軽さや自然なムードを強調し、風や自然を着ているように見える。マニッシュなアイテムも強さを強調せず、ゴールドも、抑制され、ヘアやアクセサリーなど、アクセントとしてプラスされている。

 

 平凡な日常に少々のドラマチックを”をブランドコンセプトに、日常にあふれる題材を落とし込んだアイテムを特徴にしたコレクションを提案するという同ブランドの原点に立ち返ったような、女性の美しさと自然、技術とリアルのバランスが取れたコレクション。

 

 「10年という区切りに前に進むためのカンフルのようなものが欲しかった。ここ数年ECサイトを中心にしてきたが、僕たちはコレクションブランドなんだということからショーをした。これを機に1歩、2歩と前に進みたい」とした上で、「ヌードをテーマに、ヌードカラーや透け感のあるものは使ったが、裸というより、自分たち自身が等身大であることが一番大切であることを改めて見つめなおした。今回は190人の顧客を招待したが、楽天ファッション・ウィーク東京ではなく、単独のオフスケジュールで発表したのも顧客をもてなしたかったから」と話した村松と関口。

 

 今シーズンは東京でも原点回帰がキーワードになり、Rakuten Fashion Week TOKYO 2023 S/Sでも10年、20年とキャリアを積んだ中堅ブランドのコレクションがファッション・ウィークをリードした。ミューラルも含め、中堅ブランドが東京をどう進化させていくのかも注目されそうだ。

 

取材・文:樋口真一

※この記事はアパレルウェブより提供を受けて配信しています。

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