木星に小惑星が衝突 超大型の衝突閃光現象 京大が小型観測システムで観測

2022年9月13日 16:28

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京大屋上の望遠鏡PONCOTSによって撮影された、2021年10月15日の木星閃光(中央やや右上の輝点)(c) 有松亘(京都大学)(画像: 京都大学の発表資料より)

京大屋上の望遠鏡PONCOTSによって撮影された、2021年10月15日の木星閃光(中央やや右上の輝点)(c) 有松亘(京都大学)(画像: 京都大学の発表資料より)[写真拡大]

 京都大学は13日、木星で超大型の衝突閃光現象を発見したと発表した。京大吉田キャンパス施設の屋上に設置した小型観測システム「PONCOTS(ポンコツ)」を用いて、木星における史上最も詳細な衝突閃光の動画観測データの取得に成功したという。この閃光現象は、従来木星で観測された最大のものと比べ10倍程度の規模で、1908年の『ツングースカ大爆発』のエネルギーに匹敵するという。

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 PONCOTSは、Planetary ObservatioN Camera for Optical Transient Surveysの略。市販の28cmの望遠鏡に3台のCMOSビデオカメラを装着し、可視域で最大3波長により同時動画観測を実現。移動可能な比較的安価な観測システムだ。

 ただし、28cmの望遠鏡だけでも100万円前後はするため、ポンコツと呼んでしまうのは本システムがかわいそうな気もする。むしろ何十億円もかけないで何百万円の範囲で大発見をしたことに意義があると見るべきだろう。

 この大発見につながる観測は、2021年10月15日22時14分(日本時間)に行われたが、当初この現象に京大では気づいていなかったという。この日、日本の3人のアマチュア天文家が木星での閃光現象を同時観測していたことがTwitterで明らかになり、該当時刻の撮像データを確認、解析したところ、3波長での閃光現象の同時観測に成功していたことが判明したものだ。

 3波長解析の結果、発生エネルギーなどの詳細も明らかになり、閃光をもたらした天体は総質量4000トン、直径20~30mで、太陽系外縁部から飛来。木星の重力に捉えられ、2021年10月15日に秒速60kmの相対速度で木星大気圏に突入したことが判明した。

 これほどの天体衝突が観測されたのは、1994年にシューメーカー・レヴィ第9彗星が衝突して以来だ。今回の発見は、木星に衝突する豊富な太陽系外縁部の小天体の存在を示唆し、地球への小天体衝突リスクについて新たな知見を与えるものとしても注目されている。なおこの内容は、9月13日から新潟大学で開催される日本天文学会秋季年会で発表される。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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