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シャープ、食事入力不要のカロリー自動計測スマートウォッチ「からだメイト Watch」

(Cocorostore.jp.sharp)[写真拡大]
シャープは2026年7月3日、Appleやサムスン、ガーミンなどの大手も未だ実現していない「食事入力不要のカロリー自動計測機能」を搭載した同社初のスマートウォッチ「Karada Mate Watch」を発表した。日本国内で7月9日に発売される。手首の水分変化から糖の吸収を検知して摂取カロリーを推定する新技術を採用しているが、その実用性については専門家の間でも議論が続いている。
■手首の水分変化から「摂取カロリー」を推定する仕組み
現在市販されているフィットネス向けウェアラブル端末の多くは消費カロリーを推定できるが、ユーザー自身が手動で記録することなく「摂取カロリー」を計測できる大手メーカーの製品は存在しない。食事の写真を撮影したり、バーコードをスキャンしたりする従来の手法は、ユーザーの手間がかかるため長続きしないという課題があった。
シャープが発売する「Karada Mate Watch」は、米国のHEALBE社が開発した独自の「FLOWテクノロジー」を採用している。この技術は、生体電気インピーダンス解析(BIA)を用いて手首に微弱な交流電流を流し、細胞内外の水分分布の変化を測定するものだ。
食後に糖(グルコース)が細胞に吸収される際、細胞は糖を取り込んで細胞内の水を放出する。FLOWテクノロジーはこの水分移動に伴うインピーダンスの変化を捉え、「グルコース吸収曲線」を推定してカロリー値に変換する。つまり、食べた食品そのものを識別するのではなく、消化・吸収された後の身体の生理反応を追跡している。
■22時間以上の装着が必須、精度には限界も
この測定原理上、正確な計測を行うには1日のうち22時間から23時間、継続してウォッチを装着し続ける必要がある。アルゴリズムが個人の基準値(ベースライン)を構築するまでに最大2週間の一貫した装着が必要とされ、数時間外すだけでもキャリブレーション(校正)に影響を与える可能性があるという。
また、HEALBEのFLOWテクノロジーは過去10年以上にわたり検証されてきたが、その精度に対する第三者機関の評価は分かれている。過去の検証では手動記録と近い数値を示した例がある一方、大幅に過小評価されたケースも報告されている。医療専門家からは、手首の水分変化からカロリーを間接的に推測するアプローチに対し、不確実性が高いとの指摘もなされてきた。
さらに、HEALBE側も以下のケースでは正確な測定ができないことを公式に認めている。
・エタノールによるアルコールカロリー(割り材の炭水化物のみ検知)
・糖の吸収シグナルが発生しにくいケトジェニックダイエット(低糖質・高脂質食)
・体内のエネルギー源が消費されることによる、断食やグリコーゲン枯渇時の数値検出
・水分代謝や心血管系に影響を与える医薬品の服用
・センサー接触部のクリーム、オイル、タトゥー、傷跡
・食直前の激しい運動によるインピーダンスへの影響
■スマートリング「Karada Mate Ring」とのエコシステム
シャープは「Karada Mate」を単一のデバイスではなく、健康管理プラットフォームとして展開する。ウォッチと同時に、日本のセンサー専門企業SOXAIと共同開発したスマートリング「Karada Mate Ring」も41,800円(税込)で発売する。
このリングはチタン製で、睡眠ステージ、心拍数、血中酸素ウェルネス(SpO2)、皮膚温度などの継続的なバイオメトリック測定を担う。バッテリー駆動時間は最大14日間だ。重厚なインピーダンスセンサーを搭載するウォッチは日中のカロリー計測に、軽量なリングは夜間の睡眠計測にと、役割を分担させている。
両デバイスは「Karada Mate」アプリと同期する。無料プランのほか、月額600円(税込)の「Plusプラン」も用意されており、約15万件の和食データベースを活用したAI食事画像解析や、管理栄養士が監修したアドバイス機能が提供される。
■シャープのウェアラブル戦略と今後の展望
シャープのモバイルコミュニケーション事業部長である中江雅昭氏は、6月16日に開催された製品発表会で「シャープの参入により、新たなニーズの創出につなげたい」と述べた。高齢化が進み、予防医療への関心が高い日本市場において、受動的にカロリーバランスを監視できるデバイスは、単なる歩数計を超えた健康管理ツールとして受け入れられる可能性がある。
HEALBEにとっても、シャープとの提携は技術の信頼性証明と流通網の強化につながる。同社の自社ブランド端末「GoBe」シリーズは、これまでの累計ユーザー数が世界で約7万5,000人(同社公表値、第三者検証不可)にとどまるニッチな製品だったが、シャープを通じて「COCORO STORE」などの主要チャネルで一般消費者向けに広く販売されることになる。
現時点で日本国外での発売は発表されておらず、海外の購入希望者は日本のオンラインストア等からの個人輸入に頼る必要がある。7月9日の日本発売後、実際の多様な生活環境下でこの自動カロリー計測機能がどの程度の精度を発揮するのか、今後の第三者による検証が注目される。
■注目ポイントQ&A
●食事を記録しなくても、どのようにして摂取カロリーを推定しているのですか?
手首に複数の周波数の微弱な電気信号を流し、細胞内外の水分移動(インピーダンスの変化)を測定しています。食後に糖が細胞に吸収される際、細胞から水分が放出されるため、この変化のパターン(グルコース吸収曲線)をアルゴリズムで解析してカロリー値を算出します。食品そのものを識別しているわけではないため、食後数時間経ってからアプリに数値が反映されます。
●なぜ1日に22〜23時間も装着する必要があるのですか?
手首での測定は単発の数値ではなく、継続的なデータの推移を重視するためです。アルゴリズムがユーザー個人の基準値(ベースライン)を構築し、そこからの変化を検知してカロリーを推定します。長期間一貫して装着するほど精度が向上し、長時間外してしまうとデータの一貫性が失われ、正確な測定ができなくなります。安定した計測には最大2週間の継続装着が推奨されています。
●低糖質ダイエットやケトジェニックダイエットでもカロリー計測は機能しますか?
いいえ、正確には機能しません。このシステムは糖の吸収に伴う水分の変化を検知するため、糖質を極端に制限して脂質をエネルギー源とするケトジェニックダイエットでは、アルゴリズムが機能するためのシグナルを十分に検出できません。同様に、アルコール(エタノール)自体のカロリーも検知できず、混ざっている炭水化物のカロリーのみが対象となります。
●日本国外でも購入できますか?
2026年7月9日の発売時点では、日本国内のシャープ公式「COCORO STORE」等を通じて59,400円(税込)で限定販売されます。現時点で海外向けの正式な発売予定は発表されていません。
元記事: Sharp Karada Mate Watch: Passive Calorie Sensing No Rival Smartwatch Ships
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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