関連記事
プラダ、青山店でサイモン・フジワラによる展覧会「Who the Bæ r」開催
「プラダ(PRADA)」が、2022年10月15日(土)から2023年1月30日(月)までの期間、プラダ財団が後援するサイモン・フジワラによる展覧会「Who the Bæ r」を「プラダ 青山店」で開催する。同展では、2021年にミラノで初披露されたサイモンの作品を新たに構成し、ストアの5階で展覧する。 展覧会のタイトルにもなっているWho the Bæ rとは、おとぎ話や空想文学、アニメ、テーマパークの世界観をインスピレーションにサイモンが生み出したキャラクターのこと。Whoは、まだ特定のアイデンティティもジェンダーもセクシュアリティもなく、作りかけの存在だとされているが、同展ではWhoが住むフラットなオンラインの世界「Who ニバース」を巡りながら“自分は何者なのか”を探っていく内容となる。 1982年イギリス・ロンドン生まれ、ベルリン在住のサイモンがWhoを生み出した2020年のコロナ禍での最初のロックダウン中だったという。「ハイパー資本主義的な娯楽文化のどんどん意味をなさなくなっている世界に対する子供らしいダダイズム的なリアクション」というアイデアが基になった。 創作以降、サイモンは2021年にミラノのプラダ財団で、Whoを主題とした初の大型展示を開催し、続いてロッテルダムのヴィッテ・デ・ヴィット現代美術センターでも展示。そのほか、ニューヨーク、ロンドン、東京といった国際都市で実施されたグローバルなビルボードキャンペーンにもWhoは起用された。 Whoの物語は「Who is Who?」と書かれた本の表紙になった巨大なコラージュ作品から始まり、展示を通して多くの質問が示される。例えば、ストップモーションアニメーション「Hello Who?」では、Whoがさまざまな文化的・地理的背景を持つ土地を旅しながら、自身が向き合う哲学的なアイデンティティや自分らしさについて質問が投げかけられる。それはWhoにとって、人間の人格とは単なるムードやスタイルでしかなく、SNS上で自由に作り替えたり組み合わせたりできるということを示唆している。 展示を進むと、博物館・美術館を意味する「Who ジアム」が現れる。「人類学 Who ジアム」には、Whoのイメージが組み込まれたアフリカやアジア、古代エジプトの遺物を模した作品が並んでいるが、そのコミカルな印象とは裏腹に、Whoのナルシスト的な欲望を通じて文化の盗用や遺産の返還、植民地時代の略奪の問題について喚起する内容となる。 なお、サイモンはこれまでも、アンネ・フランクの家を実物大で再現した「Hope House」(2017)や、YouTubeの世界を駆け巡るテーマパークのアトラクション「Empathy I」(2018)など数々の作品を手掛け、現実世界のパラドックスを明らかにしてきた。 気候危機から文化盗用、美容整形からポップアートまで、様々な分野にわたる数々のテーマを取り上げた「Who the B æ r」で再構成された作品群においても、“本当の自分らしさ”の探究に取り憑かれた現代社会を映し出す歪んだ鏡となるだろう。■サイモン・フジワラ「Who the B æ r」会場:「プラダ 青山店」5階会期:2022年10月15日(土)〜2023年1月30日(月)住所:東京都港区南青山5-2-6※入場無料。新型コロナウイルス感染対策のため、状況に応じて入場制限を行う場合もあり■問い合わせ先プラダ クライアントサービスTel:0120-45-1913Courtesy of PRADA■「プラダ」公式サイト
※この記事はアパレルウェブより提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク