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米国のインフレ、鎮静化の兆しで株価上昇か!?
●米国のインフレがピークアウトか!?
米労働省が8月10日に発表した7月の米国CPIは、前年同月比の伸び率が前月から鈍化していたことが分かった。
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6月のCPIは約40年ぶりの9%上昇だったが、7月は前年同月比が8.5%上昇と依然高い水準ながらも、ピークアウトを迎えた可能性が高いと市場は見ている。
これを市場は楽観的にとらえ、ナスダックやS&P500 が久しぶりに大幅上昇し、利上げペースの鈍化が期待されている。
今や最優先課題となっているインフレ抑制だが、ピークの兆候が見られることで再び株価が上昇するのだろうか?
●CPIの上昇が鈍化した原因は?
今回の下落は、ガソリン価格が約20%下落したことが背景にあると見られている。
ガソリン価格は2月のロシアによるウクライナ侵攻以降上昇を続けており、6月には最高値を付けていた。米国だけでなく、欧州や中国など世界的な景気減速懸念により、先物価格が下落していた。
8月11日に発表されたPPI(卸売物価指数)も前月比で0.5%下落しており、まだ前年同月比では高いものの鈍化の傾向は現れている。
●時期尚早?織り込み済み?
このニュースがポジティブサプライズになったことは間違いないだろう。
9月に控える次回のFOMCで、再び0.5-0.75ポイントの利上げを検討していると見られ、インフレの鈍化が意思決定に影響を与えることも考えられている。
ただ、物価上昇率が鈍化しただけで、依然高い水準には変わりがなく、FRBが目標とする2%には程遠い。
1カ月鈍化しただけでインフレが鎮静化したという判断は時期尚早との感もあり、9月の利上げもいまさら急転換することは考えにくいとする意見もある。
現在の8%台が6%台にまで下落したならば、いよいよ鎮静化の兆しが見えてくるが、現状では来月以降の数値次第では再び弱気相場になる可能性も否定できない。
8月25日~27日に3年ぶりに対面で開催されるジャクソンホール会議で、FRBのパウエル議長の発言も注目される。
まだまだインフレを克服するまでには時間がかかるだろうが、一旦ピークが見えたことで当面は市場への安心感はあるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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