【株式市場特集】梅雨でも戻り梅雨でも活躍が期待できる銘柄にフォーカス

2022年6月28日 10:27

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

今週の当特集は、「転ばぬ先の杖」よろしくカラ梅雨でも戻り梅雨でも活躍が期待できる銘柄にフォーカスすることにした。カラ梅雨相場では、諸株高騰の全面高もいずれは銘柄を絞った個別株物色に移行し、戻り梅雨相場では、もちろん個別材料中心の一本釣り相場が続くはずである。どちらに振れても存在感を発揮するグロース株とバリュー株の特性を具備する銘柄へのアプローチである。

今週の当特集は、「転ばぬ先の杖」よろしくカラ梅雨でも戻り梅雨でも活躍が期待できる銘柄にフォーカスすることにした。カラ梅雨相場では、諸株高騰の全面高もいずれは銘柄を絞った個別株物色に移行し、戻り梅雨相場では、もちろん個別材料中心の一本釣り相場が続くはずである。どちらに振れても存在感を発揮するグロース株とバリュー株の特性を具備する銘柄へのアプローチである。[写真拡大]

【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】

 今週の当特集は、「転ばぬ先の杖」よろしくカラ梅雨でも戻り梅雨でも活躍が期待できる銘柄にフォーカスすることにした。カラ梅雨相場では、諸株高騰の全面高もいずれは銘柄を絞った個別株物色に移行し、戻り梅雨相場では、もちろん個別材料中心の一本釣り相場が続くはずである。どちらに振れても存在感を発揮するグロース株とバリュー株の特性を具備する銘柄へのアプローチである。

 この選択ポイントの第一に取り上げたいのが、積極的な設備投資を開示した成長投資銘柄である。例えば今年6月17日に7億ユーロの欧州での設備投資開始を発表したダブル・スコープ<6619>(東証プライム)は、その後の韓国子会社の新規株式公開(IPO)承認などの材料も続いて前週末24日には年初来高値2095円まで買われ1週間で34%の急伸を演じた。しかし何せ、同社株は、前12月期に「継続企業の前提に関する注記」の記載が解消されたばかりで、高値追随買いを敢行するにしても高値で振るい落とされるリスクを覚悟する必要がある。

 そこで積極的な設備投資を推進するグロース株要素を内包し、かつ低PER評価に甘んじているバリュー銘柄をオールマイティ銘柄としてセレクトしてみた。投資金額は少規模なケースが多いものの、ハイテク関連、自動車関連、エネルギー関連、小売り関連、建材関連などに幅広くマッチ銘柄が浮上しており、仮に「雨が降る日」があっても十分に傘の役割を果たしてくれそうだ。

■セパレータフィルムの東レを筆頭に半導体関連株、工作機械株まで該当株

 ハイテク株では、まず韓国のLG化学とハンガリーでバッテリーセパレータフィルムの合弁会社を設立し約190億円の投資再評価益が発生する東レ<3402>(東証プライム)が上げられる。同社株は、6月17日に年初来高値まで買い進まれ高値調整中だが、PERは11倍、PBRは0.8倍と割安である。同社のほか関連株をコード番号順にあげると新社屋・新工場建設に9億円投資のJMACS<5817>(東証スタンダード)、50億円を投資して放電加工機の新精密工場を建設の西部電機<6144>(東証スタンダード)、本社工場取得の太陽工機<6164>(東証スタンダード)、約110億円投資でプロープガード工場建設の日本マイクロニクス<6871>(東証プライム)、161億円を掛けてマレーシア工場を新設のフェローテック<6890>(東証スタンダード)、新物流センター建設のダイコー通産<7673>(東証スタンダード)と続く。株価水準は東レと太陽工機は年初来高値水準にあるが、JMACS、日マイクロニクス、ダイコー通産な逆に年初来安値水準に低迷しており、底値逆張りも一考余地がある。

 建材関連では、31億円超投資してプレストコンクリートの工場建設の富士ピー・エス<1848>(東証スタンダード)、メラミン化粧板の世界シェア拡大に向けベトナム子会社増強に12億円超投資のアイカ工業<4206>(東証プライム)、南米パラグアイで「パルチップ」生産増強の萩原工業<7856>(東証プライム)、約60億円を投資して新製材工場建設のウッドフレンズ<8886>(東証スタンダード)は、いずれも低PER・PBRである。

■強弱感交錯、高値調整のエネルギー関連株でも再生エネ、脱炭素で再評価余地

 エネルギー関連では、原油先物価格の波乱とともに高値で売り買いが交錯しているINPEX<1605>(東証プライム)に注目したい。今年4月のインドネシアでの地熱発電での追加出資に続き、6月も秋田県湯沢市での地熱発電所建設を発表したが、このほか浮体式の洋上発電所への参画、島根県・山口県の沖合での石油・天然ガス鉱区の試掘調査開始など幅広く展開しており、PER5倍、PBR0.6倍の株価水準はなお再騰含みとみられる。また東京ガス<9531>(東証プライム)は、千葉県袖ケ浦市でのLNG電力発電所の建設検討について、九州電力<9508>(東証プライム)が撤退を発表したのとは対照的になお検討継続を表明しており、吉と出るか凶となるか試してみる価値はありそうだ。石炭価格の上昇などから年初来安値水準にある日本コークス工業<3315>(東証プライム)は、130億円のコークス炉更新投資を計画し、コロナ検査薬の保険点数引き下げで業績を下方修正し年初来安値へ調整したデンカ<4061>(東証プライム)も、脱炭素に向け37億円で高効率ガスタービン発電機を竣工させており、見直し余地が高まろう。

 また自動車部品株では、20億円を投資してタイ子会社の工場を拡張するファインシンター<5994>(東証スタンダード>、国内新工場とフィリピン子会社設立のASTI<6899>(東証スタンダード)、猟銃の増産要請に応じて9億弱で新工場用地を取得のミロク<7983>(東証スタンダード)、配当は無配継続だが中古SUV国内ナンバーワンを目指し中古車専門店の積極出店が続くグッドスピード<7676>(東証グロース)も、独自人気を発揮しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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