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小野薬品も踏み出すサプリメント市場の現状と、その歴史
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サプリメント。富士経済の調査によると、その市場規模は2014年の8337億円から拡大を続け2020年には9742億円に達した。
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「拡大の契機は(発売企業の責任で)健康への効果が表示できる、機能性表示食品制度が始まった(15年)こと」であり、「21年に1兆円を超える。21年の機能領域別市場規模は、免疫対策:282億円・メタボ対策関連:1363億円・スポーツサポート:969億円が中心」だという。
いわゆるサプリメントのCMを目にしない日はまずない、と言って過言ではない。それだけ市場が拡大している証しなのであろう。
食品メーカーなどの積極的な足跡が目立つが、医療医薬品企業の参入も始まっている。例えば、抗ガン薬:オポジーボで知られる小野薬品は2月24日に『小野薬品とマルハニチロ、健康食品分野で協業に関するお知らせ』とするリリースを配信している。
「・・・多様な生理機能を有する様々な生理活性脂質の研究から、プロスタグランジン製剤(血行障害に伴う症状の改善薬)など多くに医薬品を製造してきた小野薬品と・・・水産物由来の機能性素材を研究・開発してきたマルハニチロは、機能性脂質製品の商品開発に・・・」といった内容。
これを受けメディアの深掘り記事も見受けられた。読者の目を引くためであろうが、『「オプジーボ」頼み脱却なるか 小野薬品サプリ参入の裏側』(5月29日、産経新聞)といった見出しの記事もあった。ちなみに小野薬品の収益動向は、「21年3月期:5.8%増収、26.9%営業増益/22年3月期:16.8%増収、4.9%営業増益/今期計画:17.6%増収、40.5%営業増益」と順調。
私自身はサプリメント未体験ではないが、長続きしない・・・
が、せっかくサプリメントに関する記事を書くのだから原点を知りたいと思った。知ったのがニュートリライトという米国企業。過去100年近い歴史の過程では色々な問題点もあったようだが・・・ニュートリライト(ブランド)はサプリメント市場で世界最大シェアを有している。
そもそも論が面白い。1920年代初頭にカール・レンボーグなる若者が中国に(乳製品メーカーの営業担当として)赴任した。着目したのが、都会人と田舎の人々の健康格差。肉食派の都会人は健康に優れず田舎人は健康的な生活を送っていた。レンボーグ氏はその差異には未知の物質が存在すると考え「関連した植物要素」と名付けた。普段の生活であまり果物や野菜を接種しない人には「要素」が欠乏する・・・
実践した。1927年蒋介石による中華革命が起こった時、レンボーグ氏も収容所に入れられた。栄養失調に。そこで木の実や雑草、砕いた動物の骨さらには鉄分を含むと認識した鉄釘を砕きスープを作り食した。栄養失調を脱した。このスープを飲んだ他の面々も健康になった。あまり旨そうではないが・・・。
だがレンボーグ氏は確信をもって帰国後には、ビタミンをはじめあらゆる栄養素の組み合わせと取り組み、健康食物の開発に一心不乱に没頭した。その結果が・・・
日本にも「我こそサプリメントのパイオニア」と称する企業がある。ベルエア―。1973年に故浅田幸彦氏が「栄養補助食品」をコンセプトに興した企業だ。翌74年には「日本初“大豆たんぱくによるプロティン補助食品”ユニ・プロ発売」「日本初の“天然ビタミンE”サプリメント発売」と、社史に記されている。
飲酒後、肝臓に良いサプリメントを飲んで床に着くか・・・は余りにレンボーグ氏、浅田氏に失礼だろうな!(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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