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スイスショックでマーケット混乱か!?
●スイス中銀が利上げ
スイス国立銀行(中央銀行)は16日、2007年以来約15年ぶりの利上げに踏み切った。政策金利を0.5%引き上げ、マイナス0.25%とした。
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利上げに踏み切ったことは市場としては大きなサプライズであり、世界的に株価が一時急落し、為替も円が買われ円高となった。
米国連邦準備理事会(FRB)が6月14日から15日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.75%の利上げに踏み切ったこともサプライズだったが、スイスの利上げはそれ以上のサプライズだった。
最も長期金利が低い国として知られるスイスが政策金利を上げるというニュースは、インフレの深刻さに加えて、他国の利上げ圧力も強まることが意識されるのだろうか?
●スイスショックは過去にも
今回の利上げは、5月に約14年ぶりの物価上昇率を記録したことで、決断したと見られている。
スイス・フランはこれまでも円と同様に安全資産として、何かが起きれば買われる傾向にあり、スイス国立銀行がその対策を打てば、スイスショックとなる傾向にある。
2011年にもギリシャ危機後にユーロ建て資産をスイスフランに逃避させる現象が起き、スイスは1ユーロ=1.2スイスフランの上限を設定した。
その後、2015年に上限を撤廃すると、1ユーロ=0.85までフラン高が進み、輸出業・観光業が大きな影響を受けた。
●どこまで影響が広がるか?
ヨルダン総裁は「本日利上げしなければインフレ見通しは大幅に上昇する」と発言しており、インフレに対する危機感が強い。
フラン高は物価の抑制に貢献するはずだが、足元ではその優位性も失われつつあるというのがヨルダン総裁の見方である。
今回は再度の利上げの時期には言及しなかったが、今後も利上げを含め、為替介入に踏み切ることも考えられる。
FRBだけでなく、ECB(欧州中央銀行)の利上げ観測も強まっている。スイスの利上げが他国へと波及することが最も市場では警戒されているのだろう。緩和維持の日本では、円安が続くと見られている。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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