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悪い円安 円安差益を差し引いても好調な外需型企業群 (下)
当該企業には失礼かもしれないが、悪い円安下でも着実な収益を続けている共通点は「山椒は小粒でもピリリと辛い」である。
【前回は】悪い円安 円安差益を差し引いても好調な外需型企業群 (上)
象徴的な企業を取り上げる。
朝日インテック(東証プライム)。循環器系治療のPTCAガイドワイヤーなど医療用機器で特異な存在。前6月期の「8.8%増収、7.8%営業増益、8.8%最終増益」に続き今期も、「22.4%の増収、24.6%の営業増益、5.1%の最終増益、0.33円増配11.63円配」計画。2026年6月期に向けた中計が進行しているが、こう発信している。『グローバルニッチ市場への新規事業の創出』。前期の事業内容からも「山椒は・・・ピリリ」が窺える。
*メディカル事業: 内外市場で循環器系領域のPTCAガイドワイヤーや貫通カテーテルが順調に推移。非循環器系でも末梢神経系・腹部血管系が好調に推移。
*デバイス事業: 医療部材・産業部材。医療部材は国内横這いも、米国市場を中心に海外で腹部血管系・循環器系検査用部材が伸長。「低侵襲治療の究極的追求」という徹底した姿勢が専門商品の市場浸透を促し、同社の好調を支えている。
トレックス・セミコンダクター(同)。車載や産業機械向けに強みの、電源ICのファブレスメーカー。傘下にパワー半道体の受託製造企業。前期の「10.3%増収、78.3%営業増益、123.6%最終増益、4円増配40円配」に続き今期も「9.6%増収、65.4%営業増益、52%の最終増益、4円増配44円配」計画で始まったが、四半期ごとに上方修正。22年3月期直前は「28.6%増収、172.9%、178.5%最終増益」という状況。
上方修正の度に、「エレクトロニクス市場の電子化ニーズの高まり、産業機器関連市場やデジタル機器市場向けに好調な推移が続いている。円安傾向も影響」と判で押したような説明を重ねている。
輸出・外需関連企業が、円安効果を受けるのはセオリー。だがそれが現実に収益動向に反映されているか否かの判断が肝要。そこで前期段階で「円安に伴う増益率が高い」とされ、前期も営業増益で且つ今期も増益継続企業をピックアップした。
●JUKI(同):時価700円出入り、予想税引き後配当利回り3.4%強。●イビデン(同)●JSR(同):レジストなど半導体材料主体。●東洋炭素(同):特殊黒鉛で世界シェア30%と首位。予想税引き後配当利回り2%余。●セイコーHD(同):2000円台前半、同2.5%余。●エフ・シー・シー(同):クラッチ専業、2輪で世界首位。1300円台半ば、同3%強。●川崎重工業:2000円台前半、1.7%弱。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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