時流に即し成長街道をひた走るGMOペイメントの足元と、次に備えた巧みな一手

2022年5月11日 07:22

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 2005年に東証M市場(現グロース市場)に上場以来、前9月期まで16期連続の増収増益。今期も「20.0%の増収(500億円)、25%の営業増益(162億3400万円)、11.9%の最終増益(100億4800万円)、且つ連続増配:7円増の66円配」の17期連続増収増益計画。開示済みの第1四半期を「前年比21.4%増収(中間期目標比進捗率50.5%)、31.8%営業増益(50.7%)、47.6%最終増益(52.5%)」と、想定通りのペースで通過している。

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 GMOペイメントゲートウェイ(プライム市場、以下GMOペイメント)。文字通りの成長企業。口で言うのは容易だが17期連続増収増益計画「射程内」は、感服の至り。一口で言えば、「消費者向けのEC業者に、決済処理サービスを提供」している。

 EC専門紙の編集長は、こうまで言い切る。「文字通りEC業者は、雨後の筍のように増え続けている。玉石混交、いや糞味噌一緒状態。遠からず淘汰の波が襲ってくる。普通の人には勝ち残り・生き残り組と退場組を見定めるのは難しい。我々も見極めの視点を絞り込んで市場と向き合っている。視点の1つとして、GMOペイメントが決済業務を引き受ける業者か否かはカギになろう」。

 EC関連という時代のうねりの中で、GMOペイメントは連続増収増益を続けている。その内容を前9月期決算の主要セグメント状況から解き明かす。

『決済代行事業:A』―コロナウイルス感染拡大の影響は限定的。オンライン課金分野(1回払い)・継続課金分野(レンタル等の決済法)ともに業者増・キャッシュレス決済増効果増幅。少額決済増が発現。巣ごもり消費定着に伴う日用品、デジタルコンテンツや公金・公共料金決済も増加。決済処理件数:36.9%増、決済処理金額:36.3%増。

『金融関連事業:B』―加盟店ニーズによる「入金サイクル」に応じたキャッシュサービス、決済データを活かした「加盟店向け融資サービス」の両輪は順調な推移。だがコロナウイルスの感染拡大に備え与信を保守的にした分、売上収益:7.8%/営業利益:16.3%増と想定比弱含み。

『決済活性化事業』―複数の医療機関の診察券をスマホ1つに集約できるサービスの提供が、コロナウイルス感染拡大による需要の高まりに伴い奏功。売上収益85.6%増に寄与。

 また注目しておきたいのは、次のステージへの一手に備えている点。「A事業」でみると政府・自治体のキャッシュレス決済推進を受け決済端末の販売が好調に推移、次世代決済プラットフォーム「stera」端末の販売も増加。注力市場(自動精算機・券売機)などの無人決済市場の受注が順調。

 B事業では「早期入金サービス」「運転資金などの買い付け金」「フィンテック分野の企業のM&A戦略」などに備え、26年満期のユーロ円建て転換社債型予約券付き社債200億円を発行している。

 親会社のGMOインターネットは9社の上場子会社を有すが、孝行息子の最右翼だ。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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