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NYの視点:【今週の注目イベント】米CPI、ラガルドECB総裁やベイリーBOE総裁の講演
*07:37JST NYの視点:【今週の注目イベント】米CPI、ラガルドECB総裁やベイリーBOE総裁の講演
今週は、米金融政策決定において、重要な1月消費者物価指数(CPI)に注目が集まる。また、年内の利上げも除外しない姿勢に転じた欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁やクノット・オランダ中銀総裁、ビルロワ・ドガロー仏銀総裁の講演での発言に注目。今後のECBの引き締め軌道を探る。市場では早くて9月の利上げを織り込みつつありユーロ買いに繋がった。また、先週2回目の利上げに踏み切った英中銀のベイリー総裁やチーフエコノミスト、ピル氏の講演にも注目が集まる。金利先物市場では英中銀が3月会合で50bpの利上げに踏み切ることを織り込み始めた。
そのほか、ロシア、ウクライナ緊迫化は引き続きリスク要因となる。
米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を決定する上で鍵となる雇用統計は労働市場のひっ迫を証明。昨年の米インフレは過去40年間で最大の伸びを記録するなど、FRBのタカ派姿勢を正当化する。
労働省が発表した1月雇用統計で失業率は4.0%と、予想外に12月3.9%から上昇。労働参加率が62.2%と、予想外に上昇しパンデミック前の水準を回復したことが影響しているためむしろポジティブな内容。不完全雇用率(U6)も7.1%と、12月7.3%から低下しパンデミック前の2020年2月来の水準を回復した。労働市場のスラックも改善傾向にある。非農業部門雇用者数は前月比+46.7万人と、伸びは予想+12.5万人を大幅上回った。過去2カ月の雇用も70.9万人上方修正された。12月は+51万人へ、+19.9万人から上方修正。11月分は64.7万人へ、24.9万人から上方修正された。平均時給は前年比+5.7%と、12月+4.9%から予想以上に伸びが拡大。20年5月来で最大を記録した。賃金の上昇など労働市場のひっ迫で、FRBは3月FOMCで利上げを実施すると見られている。3月の50ベーシスポイントの利上げ、または、各会合での利上げ観測が強まりつつある。同時に、1月雇用統計は修正が押し上げ、必ずしも雇用の増加を示すものではないとの指摘もある。実際、より現状に近いとされる世論調査によると、市場エコノミスト予想通り雇用の減少を示した。50ベーシスポイントの利上げを正当化するには、さらなるデータが必要と見られる。
FRBがインフレ指標として注目している指標のひとつで、燃料や食品といった変動の激しい項目を除いたCPIコア指数の1月分は前年比5.9%増と、12月からさらに拡大し1982年10月以降40年ぶり最大の伸びを記録する見通し。FRBの目標の2%も大幅に上回る。原油価格も90ドル台と7年ぶりの高値圏で推移している。サプライチェーン混乱の長期化に加えてロシア、ウクライナ情勢の緊迫化で、エネルギー価格は当面高止まりすると見られ、インフレ高進は簡単には収まりそうもない。CPIが大幅な伸びを示すとFRBの引き締め姿勢を正当化することになり、ドルを支援する。
■今週の主な注目イベント
●米国
8日:12月貿易収支(8日)
9日:12月卸売在庫確定値、ボウマンFRB理事講演、メスター・クリーブランド連銀総裁演説
10日:1月消費者物価指数(CPI)、週次新規失業保険申請件数、1月月次財政収支
11日:2月ミシガン大消費者信頼感指数(11日)、などが予定されている。
●中国
7日:市場再開、財新サービスPMI
●欧州
7日:ラガルドECB総裁講演、独鉱工業生産、エストニアCPI
8日:ビルロワ・ドガロー仏銀総裁
9日:スウェーデン、コロナ抑制規制を撤廃
10日:欧州委経済見通し、ラトビアCPI、エストニア失業率ビルロワ・ドガロー仏銀総裁
11日:独CPI
●英国
9日:チーフエコノミスト、ピル氏の講演に注目が集まる。
10日:ベイリー英中銀総裁が夕食会で演説
11日:GDP、鉱工業生産、貿易収支
●日本
10日:PPI《FA》
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