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スシロー、魚が取れない時代の戦略 今後の行方は
12月9日にオープンした、1,000店達成記念店舗「スシロー ユニバーサル・シティウォーク大阪店」のイメージ。(画像: FOOD & LIFE COMPANIESの発表資料より)[写真拡大]
12月19日の東京新聞Web版が共同通信伝として、【スシロー、先端技術投資に意欲 ゲノム編集、主要魚類の安定確保】の見出しで、回転ずし:スシローを展開するFOOD&LIFE COMPANIES(東証1部。以下スシロー)の水留浩一社長のこんな内容の発言を伝えた。
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「養殖業者との提携やゲノム編集など、先端技術の投資に意欲をみせた。『魚が取れない時代が現実化する中、主要魚類を安定的に確保する』と狙いを語った」。
周知の通りゲノム編集は、遺伝子を効率的に改変する技術。品種改良の期間を大幅に短縮されることが期待できる。スシローは既に数社と共同開発を進めているという。漁獲量の減少は我らが友:回転ずしのネタの上昇に繋がる。安定的な魚種確保は、大いに好感できる方向。所沢市を含め住処:埼玉県にも35のスシローがある。期待したい。
スシローの源流は故清水義雄氏が寿司職人として腕を磨いた大阪で、1975年に鯛すし(カウンター型立ち寿司店)として産声を上げている。
いまや回転ずし業界にあって売上トップ。2020年から21年にかけての売上高で2049億円。2位のくら寿司に倍近い差をつけている。
前9月期は21年4月の持ち帰りずし大手:京樽の完全子会社化もあり、17.5%の増収となった。営業利益は89.9%増益。7.5円増配の22.50円配。だが今期計画は28.7%増収(3100億円)も、8.3%営業減益(210億円)計画。既存店売上高も前通期の104.3%に対し今期は、「10月:94.0%、11月:96.3%」と足踏み気味。
実は前期の既存店売上高は104.3%と記したが、各月単位でみると100を前後に斑文様の推移。そして前期の収益状況にはコロナ禍の影が反映されている。緊急事態宣言発令などで時短営業・実質的休業に対し政府補助金が貢献している。魚価の低下も寄与した。
が、今期に入り、それらが剥落している。スシローでは国内の新規出店を47~62と計画(前期52店)と積極姿勢を示しているが、営業利益計画が示すように利益は「高原横這い」。
だが冒頭の共同通信が伝える水留社長の姿勢や、至る24年9月期の中計は期待を抱かせるものになっている。
売上高:4200億円:年平均増収率16.16%。営業利益:330億円:同17.8%。そして特筆すべきは中国を中心とした、海外店舗の展開。中計最終期まで総額750億円(手元資金+営業CF)の投資を計画しているが、4割近くを海外出店に充てるという。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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