7日の香港市場概況:ハンセン2.7%高で3日ぶり反発、アリババ12.2%上昇

2021年12月7日 18:00

印刷

記事提供元:フィスコ


*18:00JST 7日の香港市場概況:ハンセン2.7%高で3日ぶり反発、アリババ12.2%上昇
7日の香港市場は、3日ぶりに急反発している。主要64銘柄で構成されるハンセン指数が前日比634.28ポイント(2.72%)高の23983.66ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が252.35ポイント(3.05%)高の8527.12ポイントに上昇した。売買代金は1534億4650万香港ドルにやや縮小している(6日は1700億2050万香港ドル)。


中国の金融緩和スタンスが好感される流れ。中国人民銀行(中央銀行)は6日、市中銀行の預金準備率を15日から0.5%引き下げると発表した。また、2022年の経済政策などを議論した6日の共産党中央政治局会議で、不動産規制の緩和修正方針が示されたことも材料視されている。中国指標の改善もプラス。取引時間中に公表された今年11月の貿易統計は、輸出と輸入の伸びがそろって予想を上回った。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、Eコマース中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が12.2%高、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(カントリー・ガーデン・サービス・ホールディングス:6098/HK)が11.1%高、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が6.6%高、マカオ・カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が6.2%高と上げが目立った。アリババに関しては、Eコマース事業を国内と海外の2部門に再編する発表したことも支援材料。経営環境が日々変化する中、機動的に対応することが狙いとみられている。同社はまた、武衛氏の最高財務責任者(CFO)退任も明らかにした。


セクター別では、管理サービスやデベロッパーの中国不動産が急伸。上記した碧桂園服務のほか、融創服務HD(1516/HK)が12.7%高、融創中国HD(1918/HK)が16.8%高、合景泰富地産HD(1813/HK)が10.3%高と値を上げた。


エアラインや代理店など旅行関連セクターも高い。中国南方航空(1055/HK)が6.5%、中国国際航空(753/HK)が5.8%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が5.3%、中国東方航空(670/HK)が5.0%、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が9.5%、同程芸龍HD(トンチェン・イーロン・ホールディングス:780/HK)が4.6%ずつ上昇した。


海上輸送やコンテナ生産の海運セクターもしっかり。太平洋航運集団(2343/HK)が5.6%高、中遠海運HD(1919/HK)と東方海外(316/HK)がそろって2.6%高、勝獅貨櫃(シンガマス・コンテナ:716/HK)が5.8%高で取引を終えた。


ゼネコンやセメントなどインフラ建設関連も物色される。中国中鉄(390/HK)が3.1%高、中国交通建設(1800/HK)が2.9%高、中国鉄建(1186/HK)が2.8%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が3.6%高、中国建材(3323/HK)が2.9%高で引けた。


本土市場も反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.16%高の3595.09ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。金融株、運輸株、インフラ建設関連株、公益株、医薬品株、エネルギー株なども買われた。半面、ハイテク株は安い。自動車株、非鉄株、軍事関連株も売られた。

亜州リサーチ(株)《FA》

関連記事