欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、リスク要因に警戒も米インフレを見極め

2021年12月7日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、リスク要因に警戒も米インフレを見極め
7日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。米国のロシアや中国との関係悪化などリスク要因が警戒され、円買いに振れやすい。ただ、高水準が予想される今週発表の米インフレ指標を見極めようと、ドル売りは抑制されそうだ。

新型コロナウイルス・オミクロン株の世界的な感染拡大で市場の不安は根強いものの、前日は重症化に対する懸念がいったん和らいだ。米国の長期金利や株価指数の上昇を手がかりにドル買いが進み、ユーロ・ドルは1.1260ドル台に失速、ドル・円は113円50銭台に浮上。本日アジア市場では日経平均株価の堅調地合いで円売りが強まり、主要通貨を押し上げた。また、原油高で資源国通貨がクロス円をけん引し、ドル・円は小高く推移した。

この後の海外市場では国際関係の不透明感が意識される。報道によると、米バイデン政権はロシアのウクライナ侵攻に備え同国の大手銀行とルーブルの外貨交換能力を対象とした制裁を検討。一方、来年2月の北京オリンピックでの外交的ボイコットに関し週内にも発表するとみられ、安全通貨の円が選好されやすい。ただ、10日の米消費者物価指数(CPI)は高水準が予想され、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め観測からドル売りは限定的とみる。

【今日の欧米市場の予定】
・18:30 南ア・7-9月期GDP(前年比予想:+3.7%、4-6月期:+19.3%)
・19:00 独・12月ZEW景気期待指数(予想:25.0、11月:31.7)
・19:00 ユーロ圏・7-9月期GDP改定値(前年比予想:+3.7%、速報値:+3.7%)
・22:30 米・10月貿易収支(予想:-669億ドル、9月:-809億ドル)
・22:30 米・7-9月期非農業部門労働生産性改定値(前期比年率予想:-4.9%、速報値:-5.0%)
・22:30 カナダ・10月貿易収支(予想:+21.1億加ドル、9月:+18.6億加ドル)
・03:00 米財務省・3年債入札
・05:00 米・10月消費者信用残高(予想:+250.00億ドル、9月:+299.13億ドル)《FA》

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