28日の中国本土市場概況:上海総合1.2%安で3日続落、資源・素材が下げ主導

2021年10月28日 16:58

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記事提供元:フィスコ


*16:58JST 28日の中国本土市場概況:上海総合1.2%安で3日続落、資源・素材が下げ主導
28日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比43.89ポイント(1.23%)安の3518.42ポイント(上海A株指数は1.23%安の3687.49ポイント)と3日続落している。約2カ月ぶりの安値水準に落ち込んだ。


商品市況安が逆風。鄭州商品取引所の石炭先物価格は、先週19日に付けた過去最高値(1982.00人民元)から、28日は1033.88人民元(約1万8400円)まで下落している。1週間余りで47.6%も急落した。また、上海商品取引所でも主要な非鉄や鉄筋の先物が軒並み安で推移している。新型コロナウイルス感染再拡大を背景に、中国経済の回復ペース鈍化も懸念される状況。秋の行楽シーズンを迎えた中国では、ツアー客を起点とする感染拡大が続いている。一部の地域では、行動規制が導入された。(亜州リサーチ編集部)


エネルギーや非鉄、鉄鋼など資源・素材株が下げを主導する。エン州煤業(600188/SH)がストップ安、中国石油天然気(601857/SH)が6.2%安、中国アルミ(601600/SH)が5.4%安、宝山鋼鉄(600019/SH)が2.1%安で引けた。


不動産株も安い。格力地産(600185/SH)が5.8%、緑地HD(600606/SH)が2.8%ずつ下落している。業界の不透明感が続いた。複数社の社債が債務不履行(デフォルト)に陥るとの観測も流れている。インフラ関連株、自動車株、海運株、医薬品株、ハイテク株、金融株なども売られた。


半面、消費関連株の一角はしっかり。老舗化粧品メーカーの上海家化聯合(600315/SH)が4.3%高、家電メーカーの海爾智家(600690/SH)が3.0%高、免税店運営の中国旅遊集団中免(601888/SH)が2.5%高、乳製品大手の内蒙古伊利実業(600887/SH)が1.2%高で取引を終えた。伊利実業に関しては、粉ミルクメーカー澳優乳業(オースニュートリア・デイリー:1717/HK)の買収計画が材料視されている。事業拡大の期待が高まった。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が7.41ポイント(2.68%)安の268.72ポイント、深センB株指数が17.66ポイント(1.52%)安の1145.11ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《FA》

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