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減産続く自動車産業、問題は半導体不足だけでない アルミ供給にも危機が
世界で半導体不足が長引いている。半導体は自働車だけでなく、パソコンやスマホ、そして家電製品などあらゆる製品に使用されている。だが新型コロナの影響から、日本での工場火災、米中の摩擦など様々な要因が重なり、半導体の供給はひっ迫している。それに加えて、中国での電力制限やギニアでのクーデターなどにより、アルミに危機も迫っている。
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半導体不足により、トヨタをはじめ自動車メーカーが相次いで減産に追い込まれている。供給不足は、半導体工場を新たに建設して増産すれば解決するように思うかもしれないが、工場建設には数年がかかり、その費用も数百億円は必要と言われている。このような中で、今度はアルミ不足が懸念材料として挙がってきている。
アルミは、クルマのエンジンやボディなどに使用されているため、半導体に続きアルミの調達が難しくなれば、自動車産業はかなりピンチと言えるだろう。しかもアルミをつくる副原料となるマグネシウムや金属シリコンは、中国からの輸入に依存している。
中国では現在、電力制限が行われており、マグネシウムや金属シリコンの生産が細ってきていると言う。しかもアルミの原料となる「ボーキサイト」の原産国ギニアで今年9月にクーデターが発生し、供給に不安が出ている。
特にアルミは、半導体製造装置やリチウムイオンバッテリーなど幅広く使用されており、半導体不足をさらに拍車させる懸念もある。
また中国で生産されるシリコンは、クルマの多くの部品に使用されている。もしこのまま中国の電力制限が長引けば、シリコンの供給も間に合わなくなり、さらにクルマの生産が難しくなるだろう。
自動車産業を取り巻く環境は、現在の半導体不足だけでなく、かなり広い分野で危機が迫っていると言える。原油価格も高騰していることから、燃料費も重くのしかかってきており、生産現場には負の材料が増えているのが現状だ。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る)
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