相次ぐシステム障害で、金融庁の管理下に置かれたみずほのシステムとは? (上)

2021年10月8日 07:46

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 6日、みずほフィナンシャルグループ(FG)は、システム障害が続発している傘下のみずほ銀行が、10月に行うシステム関連作業の計画を金融庁に提出した。年初から続くシステム障害を重視した金融庁が、9月にみずほ銀行に出した業務改善命令に対応するもので、今年発生したシステム障害の再発防止を優先させ、優先順位の低い項目は繰り延べする。月中の作業工程を今までの半分以下に抑え込んで、システム負荷の軽減を図る。

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 今年のシステム障害が2桁に乗りそうな勢いだから、尋常ではない。

 初回の2月28日、全国にネットを張るみずほ銀行の8割ものATMに異常が発生し、キャッシュカードや預金通帳が返戻されない事態を招いた。トラブルに遭遇した利用者の中には、キャッシュカードや預金通帳がいつ戻されるのかも聞かされず、ひたすら待たされた人も少なくなかったようだから、メガバンクという存在の大きさも相まって、社会問題化したと言っても過言ではない。

 その後もATMなどでトラブルが続く状況を重く見た金融庁が、立ち入り検査に着手した。

 6月15日にみずほFGから、みずほ銀行で続発したシステム障害に関わる第三者委員会の調査報告書が公表された。報告書によると、システム自体に欠陥が有る訳でなく、人的なオペレーション体制と企業風土に問題発生の素地が有ったとしている。

 8月20日と23日には全店の窓口が取引不能でATMも利用不能に陥り、9月8日にはATMの障害が発生した。

 9月30日には、システム障害による外国為替取引の一部に遅延が発生し、みずほ銀行の広報は原因が「システムの不具合」に有ると説明したが詳細は不明だ。

 8月にみずほFGがまとめた報告書によると、システム障害の原因は未だに「不明」のままだ。システム全体を把握していなければ、どこに問題が有るのかも分からないということを、示唆するかのような報告になってしまった。

 原因が分からなければ対策も立てられないから、10月のシステム関連作業が最小限に抑えられたのは止むを得ないが、未だに原因を詰められないみずほ銀行への疑問は深まるばかりだ。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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