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株価にも影響!? 天然ガス上昇リスク
●天然ガス価格が30%増に!
欧州の天然ガス先物市場は6日、前日終値から30%上昇の値を付け、過去最高値を更新した。
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天然ガスの価格は9月に入ってから上昇を続けており、約150%上昇している。
高値を付けた翌日の7日は、ロシアのプーチン大統領が欧州向けの天然ガスの供給を増やすと発言し、約10%下落したが、それでも高値圏で推移している。
天然ガスの上昇だけにとどまらず、天然ガスの代替エネルギーとしての期待で原油価格も上昇している。インフレリスクが懸念される中、さらなるリスク要因となるのか?
●天然ガスとは?上昇の原因は?
天然ガスは、化石燃料の中でもクリーンな燃料となり、年々需要が増えている。原油や石炭に比べて25%~40%二酸化炭素の排出を削減できると言われている。
特に液化天然ガス(LNG)の需要は高い。日本のLNGは輸入に頼っており、世界のLNG輸入量の約2割(2018年)を日本が占めている。日本の輸入先の約4割はオーストラリアで、その後にマレーシア、カタールと続く。
今回の価格上昇は、様々な要因が挙げられている。新型コロナからの世界的な需要の回復や、電力不足が深刻な中国の爆買い。昨冬の寒波による暖房需要増加による在庫の激減、欧州におけるバルト海の風力発電の供給不足などだ。
脱炭素社会へのシフトチェンジを意識した自然エネルギーへの転換が、影響を与えているとも見られる。
●懸念される経済や株価への影響
英国ではすでに食品加工業が操業停止に追い込まれ、欧州全体の電気料金も値上がりしている。日本でも、電気料金の値上げは避けられない。
企業業績や株価にも大きな影響を与えることは必至である。
一時はシェール革命により、シェールオイル・ガスによるエネルギー不足解消が期待されたが、米国のシェールオイル・ガスの生産量は戻っていない。
英国での風力発電の不安定化、ノルウェーの水力発電の貯水池低下など、自然エネルギーへの転換の問題点が露呈し始めている。
今後もこういった問題は起きることが想定され、この冬でも、原油など他の商品価格の動きに注視する必要がある。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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