FRB議長発言で緩和バブル継続か!?

2021年7月16日 16:15

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●FRB議長が量的緩和の継続を表明

 FRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長は14日、米下院金融サービス委員会の公聴会において、量的緩和の縮小時期などを聞かれ、「まだ先」と発言した。

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 これを受けて、長期金利は低下し、S&PもNYダウも小幅に反発した。

 パウエル議長は、緩和について「景気回復が完了するまで」続けると述べた。FRBは6月のFOMCにおいて、利上げの想定時期を2023年に前倒しすることを公表しており、市場でも、緩和の縮小(テーパリング)が早まることを想定している。

 今回のパウエル発言は市場にとって、ポジティブサプライズとなったが、緩和バブルはさらに続くのか?

●6月のFOMC

 6月のFOMC(連邦公開市場)で、2024年だった利上げの想定開始時期が、2023年に前倒しすることが公表されていた。ただパウエル議長からは、利上げ開始時期について具体的な言及はなかった。

 物価は上昇しており、カナダなど先にテーパリングを始めた国もあり、米国もいつまでも緩和を続けられなくなるだろうというのが、市場の見方であった。

●出口は遠のいたのか?

 今回のパウエル発言は、米6月CPI(消費者物価指数)の結果が前月比0.9%(前年同月比5.4%)上昇し、米10年債利回りも再び1.4%まで反発したことで、インフレを意識せざるを得ない指標となったことを受けて、その火消しだったと見ることもできる。

 米10年債利回りはパウエル発言を受けて、1.3%台まで下落したことを見れば、効果はあったのかもしれない。

 パウエル議長は公聴会で、インフレについては一時的と述べていた。経済が一段と顕著な回復を見せるには程遠いとして、緩和縮小のハードルはまだまだ高いことを示唆した。

 確かに、パンデミックの混乱は、新型コロナウイルスの感染が落ち着きを見せても、続いている。労働市場の回復などまだまだ課題は多い。

 インフレについては様々な見方があり、実際に年末にかけてどうなるかはわからない。パウエル議長は金融緩和を景気回復までと明言したが、市場はすでにテーパリングを織り込んでいるという見方が大勢である。

 今後は、対面式で行われる8月26日~28日のジャクソンホール会合でのパウエル議長の発言が、注目されるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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