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コラム【新潮流2.0】:エクスポネンシャル(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆)
*09:24JST コラム【新潮流2.0】:エクスポネンシャル(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆)
◆経済の分析では指数・対数をよく使うのだが、僕は学生時代、数学の勉強ではこの分野が苦手だった。根っから頭が悪いせいか、指数・対数というものを「感覚的に」理解できないのである。当時は悩んだが、今ではその理由が分かる。世の中の事象は指数・対数で表すほうがうまく捉えられることが多いのに、人間の頭脳はリニア(直線的)にしか働かないからだ。
◆「テクノロジーの進歩は速い」と言えば、誰もが首肯し、異を唱えるひとはいない。しかし、どのくらい速いのか、について答えられるひとはどれほどいるだろう。かく言う僕もイメージがわかないが、昨今の言葉で言えば、エクスポネンシャル(指数関数的)な速さだという。例えばスマートフォンの普及率などはまさに指数関数で表される。
◆「空飛ぶクルマで旅客輸送」。10日の日経新聞朝刊の1面を見て驚いた方も多かったのではないか。日本航空(JAL)<9201>は2025年度に「空飛ぶクルマ」を使った事業に乗り出す。ANA<9202>も25年度に同様のサービスへの参入を検討している。技術的な問題はクリアしていて、あとは法整備とコストの問題という。 すでにクルマは空を飛ぶのである。先行するウーバーの最終的なゴールは「空飛ぶクルマ」のライドシェアで、既存のクルマを所有するインセンティブをなくすことだという。
◆少し前は夢物語かSF(サイエンス・フィクション)の世界のことと思われた技術が、いまや科学的現実「SF(サイエンス・ファクト)」になりつつある。まさにエクスポネンシャル・テクノロジーだ。ここに投資のチャンスがある。テクノロジーの進歩に賭けよう。そんなこと、わかっているって?いや、テクノロジーの凄さは、きっとまだまだ過小評価されているだろう。 なぜならテクノロジーはエクスポネンシャルだが、人間のアタマはリニアだから。その差がリターンの源泉であり、それは時間の経過とともに拡大していく。式で書くと…いや、やめておこう。数学ができないことがバレてしまうので。
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆
(出所:7/12配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋)《FA》
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