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理論上で予測された「電子捕獲型超新星」を発見 世界初 国立天文台の研究
超新星SN2018zd 右側に輝く明るい存在がSN2018zd (c) NASA/STScI/J. DePasquale, Las Cumbres Observatory[写真拡大]
国立天文台は29日、2018年3月にアマチュア天文家・板垣公一氏によって発見された超新星、SN2018zdの詳細な明るさ変化のデータを解析したところ、その特徴が理論上存在が予測されていた「電子捕獲型超新星」に一致することが、世界で初めて確かめられたと発表した。
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恒星がその生涯を白色矮星として静かに終えるのか、それとも華々しく超新星爆発によって終えるのかは、質量の大小によって決まる。その分岐点となる質量は、太陽のおよそ8倍とされており、それよりも軽い恒星は白色矮星となり、それよりも重い恒星は超新星爆発を起こす。
ちょうどその分岐点の質量に相当する恒星は「電子捕獲型超新星」として、特別なふるまいをすることが理論の上で予測されていた。だが、太陽の質量のちょうど8倍という都合の良い質量の恒星は、これまでに存在が確認されていなかったため、「電子捕獲型超新星」は理論上の存在でしかなかったのだ。
質量がかなり大きな恒星は、中心部に鉄のコアを形成した後、超新星爆発を起こす。これが超新星のごく一般的な姿である。これに対して「電子捕獲型超新星」は、中心部のコアが鉄ではなく、酸素・ネオン・マグネシウムからなり、このコアは電子によって支えられている。この電子がネオンやマグネシウムに捕らえられて、コアを支えきれなくなったときに爆発を起こすのが、「電子捕獲型超新星」なのである。
超新星SN2018zdは、地球から約6500万光年離れた銀河NGC 2146にあり、恒星としてはかなり遠くの存在である。この超新星が爆発を起こした時期は、今から約6500万年前となる。偶然ながらその時期は、地球には恐竜を滅亡に追いやった小惑星が襲来した時期と一致しており、これもまた興味深い事項である。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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