【注目のインカムゲイン・キャピタルゲイン両立株】ノーリツは最高純益更新と配当権利取り妙味

2021年6月13日 20:42

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

ノーリツ<5943>(東1)は、前日10日に4円安の1841円と5営業日続落して引けた。同社は、今年5月24日にマドを開けて年初来高値2024円まで300円超急伸しており、目先の利益を確定する売り物が続いた。

ノーリツ<5943>(東1)は、前日10日に4円安の1841円と5営業日続落して引けた。同社は、今年5月24日にマドを開けて年初来高値2024円まで300円超急伸しており、目先の利益を確定する売り物が続いた。[写真拡大]

■インカム・ゲインの値幅効果とキャピタル・ゲインにも期待

 ノーリツ<5943>(東1)は、前日10日に4円安の1841円と5営業日続落して引けた。同社は、今年5月24日にマドを開けて年初来高値2024円まで300円超急伸しており、目先の利益を確定する売り物が続いた。ただこの日の安値1819円は下ヒゲでつけ、大引けでは25日移動平均線までほぼ戻しており、下値には今2021年12月期の中間配当の権利を取る買い物が交錯した。同社は、今2021年12月期業績の上方修正と大幅な連続増配を発表しており、純利益が8期ぶりに過去最高を更新すると見込まれていることが、インカム・ゲインのほか値幅効果のキャピタル・ゲインも期待できると評価されている。

■株主還元方針の変更に業績上方修正がオンし年間83円に大幅増配

 同社は、今期期初に株主還元方針の変更を発表し、配当金を従来の総還元性向50%から連結配当性向50%か連結純資産配当率2%のうち高い額とすることを決定した。この変更に従い今期配当を64円(前期は創立70周年記念配当3円を含めて35円)と連続増配を予想したが、今年5月17日の今期業績の上方修正ではさらに19円上乗せして年間83円とした。この年回配当の利回り4.50%は、6月期・12月期決算会社の配当利回りランキングでは第6位に位置し、東証第1部全銘柄順位でもトップ81位にランクインする。なお中間配当は、32円を予定している。

 この増配幅拡大の前提となる今12月期業績は、期初予想より売り上げを110億円、営業利益を14億円、経常利益を17億円、純利益を18億円それぞれ引き上げ、売り上げ1910億円(前期比3.9%増)、営業利益64億円(同34.3%増)、経常利益72億円(同21.5%増)、純利益76億円(前期は30億1300万円の赤字)と続伸幅を伸ばし、純利益は、過去最高の63億8700万円(2013年12月期)を更新する。ガス温水暖房付きふろ給湯器や高効率ガス給湯器などの新シリーズが順調に推移し、前期に不採算の住設システム事業から撤退し希望退職者を募集した構造改革効果も寄与する。

■PER11倍、配当利回り4.5%でインカムゲイン・キャピタルゲイン両立も

 株価は、昨年12月の前期業績の上方修正で1790円をつけ、配当権利落ちとともにつけた年初来安値1495円から今期純利益の黒字転換・増配予想で1943円高値、今期業績の上方修正・増配では年初来高値2024円へマドを開けて上値を伸ばし、足元では25日移動平均線での高値固めを続けてきた。PERは11倍台、PBRは0.79倍と評価不足である。前日10日の米国市場で長期金利が低下し相対的に高配当利回り株選好が強まることも想定され、年間配当利回り4.50%のインカム・ゲインとキャピタル・ゲイン狙いの両立で年初来高値抜けから2018年1月高値2263円にチャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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