はやぶさ2がリュウグウで発見した原始太陽系におけるの微惑星の痕跡 JAXA

2021年5月26日 09:00

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原始太陽系における微惑星とそれが進化してリュウグウに至るまでの推定プロセス(画像: JAXAの発表資料より)

原始太陽系における微惑星とそれが進化してリュウグウに至るまでの推定プロセス(画像: JAXAの発表資料より)[写真拡大]

 JAXAは25日、はやぶさ2が小惑星リュウグウで撮影した画像の高解像度解析により、最も始原的な岩塊を発見したと発表した。はやぶさ2が訪れた小惑星リュウグウは直径が約900mでC型小惑星に分類される。はやぶさが訪れた小惑星イトカワのような岩石質であるS型小惑星と比べて、有機物を多く含み、原始太陽系の痕跡をより多く残していると考えられている存在だ。

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 ところではやぶさ2は実は現在も稼働中だ。2018年6月27日に小惑星リュウグウに到着したが、2020年末にリュウグウで採取したサンプルが入ったカプセルを地球に送り届けたのち、現在は地球から約1億1600万kmあたりの宇宙空間を航行中で、2031年に小惑星「1998KY26」へのランデブーを目指している。

 このはやぶさ2がリュウグウで撮影した中間赤外カメラ(TIR)および光学航法カメラ(ONC)の高解像度画像の解析により、水よりも比重が小さい軽石のような空隙だらけの岩塊が発見された。

 今回発見された岩塊は、太陽系内の惑星誕生のきっかけとなった微惑星の姿を最も色濃く残している物質であるという。したがって、リターンサンプル中にこれと同様の形態を持った微粒子が含まれていれば、原始太陽系に存在していた粒子を直接分析にかけることが可能になり、太陽系誕生のなぞに直接迫ることができるのだ。

 原始太陽系において存在していた微惑星については、現在はだれも直接観測することができない。また一方で、微惑星は非常に密度が低いふわふわなチリの集合体のような存在であったと科学者たちは考えており、今回発見された岩塊の画像はその仮説の正しさを間接的に裏付ける証拠として、大きな期待がかけられている。

 はやぶさ2はリュウグウにおいて、特異な温度を示す場所を狙ってサンプルを採取している。その理由は特異な温度を示す地点は他の場所よりも比熱が小さく、熱しやすく冷めやすいため、比重がより小さいと考えられ、微惑星の痕跡を残す空隙率の大きな存在である可能性が高いと考えられたからである。

 我々は微惑星という言葉は聞いたことがあっても、それが具体的にどの様なものであったかまでは知らない。だが、はやぶさ2が持ち帰ったリュウグウのサンプルの分析によって、微惑星のより正確かつ具体的なイメージが今後明らかにされることだろう。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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