ファースト住建は続落も割安住宅株買いが加わり中間配当の権利取り好望

2021年4月16日 08:05

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ファースト住建<8917>(東1)は、前日15日に12円安の1351円と6営業日続落して引けた。同社株は、4月8日に年初来高値1418円まで買い進まれており、全般相場が方向感が乏しく推移していることから目先の利益を確定する売り物が続いた。ただ、取引時間中には1370円高値をつける場面もあり、4月末の今2021年10月期の中間配当の権利付き最終日を前に、年間配当利回りが3%超となることを手掛かりに、配当と株主優待制度の権利を取る買い物も交錯した。また同社は、割安住宅関連株の一角に位置し、今年3月5日に発表した今期第1四半期(2020年11月~2021年1月期、1Q)業績が、2ケタの増収増益転換したことも見直されている。

■年間配当43円を安定継続し株主優待制度も並行実施

 同社の今期配当は、年間43円(前期実績43円)と安定継続され、このうち中間配当は21円(前年同期実績21円)が予定されている。また株主優待制度も、4月末、10月末を基準日に100株以上、300株未満の同社株式を1年以上保有する株主にクオカード500円を贈呈する。年間配当利回りは、3.18%と東証第1部の4月期・10月期決算会社で最も高利回りとなる。

 一方、業績は、前2020年10月期業績が前年同期比4.1%増収、29.7%営業減益、29.8%経常減益、30.5%純益減益と続落したが、今2021年10月期業績は、売り上げ426億円(前期比2.3%減)、営業利益31億円(同17.2%増)、経常利益30億円(同16.3%増)、純利益19億円(同13.7%増)と増益転換を見込んでいる。前期第4四半期に分譲事業の完成在庫の滞留を解消するために販売価格を見直し、粗利益が減少しており、これが一巡することなどが要因となる。この立ち上がりの今期1Q業績は、前年同期比24.5%増収、50.7%営業増益、59.2%経常増益、50.8%純益増益とV字回復した。分譲事業の戸建販売棟数が、310棟と前年同期比18.3%増と伸び、子会社で神奈川県で建売方式で戸建分譲を行っているアオイ建設の販売棟数も、前年同期の15棟から38棟と2.5倍となったことなどが寄与した。

■25日線で下値を確認し2018年1月高値目指す値幅効果も

 株価は、昨年3月のコロナ禍での昨年来安値683円から売られ過ぎとして1000円大台を回復したが、同6月に前期業績と配当予想を取り下げ未定としたことで888円安値まで再調整した。ただその後は、再開示した前期業績が減益予想となったものの年間配当は43円を堅持したことで再び1000円大台を回復、25日移動平均線に下値をサポートされながら今期業績の増益転換予想、今期1Qの好決算と続いて昨年来高値1418円まで上値を伸ばした。足元では高値もみ合いとなっているが、下ヒゲにより25日線で下値を確認しており、PER9倍台、PBRは0.56倍の割安修正に再発進、インカムゲインのほか昨年来高値抜けから次の上値フシとして2018年1月高値1820円を意識、値幅効果も期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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