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市場急拡大のエナジードリンクと栄養ドリンクの違い
発端は、1月10日付けの健康産業新聞Web版の『エナジードリンク、30~40代.に照準 新市場創出へ』と題する配信だった。富士経済の発表によると、エナジードリンク市場は2019年度で800億円。10年前から約8倍に拡大した。2006年に上陸した「レッドブル」(オーストリア、Red Bull GmbH)などの海外ブランドが火付け役。
いまではアサヒ飲料の「モンスターエナジー」や、サントリー食品の「サントリーアイアンボス」など、国内の飲料メーカーも積極的に参入。ナチュラルローソンでは「レッドブル」「レッドブル・サマーエディション」「ライジン」といった商品が、20-40歳代の女性にも人気を博しているという。札幌市を拠点に独自な展開で知られるコンビニ:セイコーマートでは昨年7月に、「バーサス」なる商品を開発販売している。
言い訳がましいが、エナジードリンクと呼ばれる飲料が存在していることは知っていた。しかしソレがどんな類のものであり、800億円もの市場を形成しているとは「つゆ知らず」だった。調べてみた。まず行き着いたのは私も時折口にする「アリナミンV」や「リポビタンD」など、栄養ドリンクとは異なるものだということだった。
検索で出会った解説者は、「きちんと分けて捉えるべし」としていた。では、エナジードリンクと栄養ドリンクとはどこがどう違うのか。以下のような違いを知った。
★栄養ドリンク(以下、前者)は「医薬品or医薬部外品」。対してエナジードリンク(後者)は「清涼飲料水」。
★前者は「滋養強壮・栄養補給」といった効能・効果の記載が可能。成分の配合量の表示が義務付けられている。対して後者は「記載不可」であり「表示の義務なし」。
★前者の特徴は、タウリンの含有が可能。タウリンは、細胞とりわけ肝細胞を常に正常に保つ効果を有するとされる。後者はタウリンの含有は認められない。その代わりにアルギニンの含有が認められている。アルギニンはいわゆるアミノ酸の一種で成長ホルモンの分泌を促し、「筋肉増強」「免疫機能向上」「血流改善」「男性機能改善」などに役立つとされている。
★前者と後者には共通項もある。広く「身体によい」とされている、「ビタミン」「朝鮮人参」「ローヤルゼリー」の配合が可能。
そんな知識を得て、ドラッグストアに飛び込んでみた。知ったかぶりをして、「栄養ドリンクはどこに置いてある」「エナジードリンクはどこに」と聞いた。コーナーは別々に分かれていた。
世の中知らないことが多過ぎる、といささか落胆。だが国内の市場調査機関で首位級のインテージヘルスケア(インテージHD傘下)が、医薬品を処方する医師に、栄養ドリンクとエナジードリンクの違いを聞いたところ「69%の医師」が「あまり知らなかった、知らなかった」と答えてという調査結果に触れいささかホッとした。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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