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日経平均株価は3万円を超え、アメリカのダウ平均株価も3万2,000ドルを超えるなど、コロナ禍における暴落から回復し、その後は右肩上がりに上昇を続けてきた株式市場は、もはやコロナバブルであると認識されることが多くなってきた。
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苦境に喘ぐ実体経済と乖離しているだけではなく、投資をする余裕があるものと、ないものの貧富格差をさらに深める原因となっていることは間違いなく、投資が文化として根付いている欧米諸国においては、なおさらだ。
しかしながら、先週末の2日間で株式相場は大きく崩れ、ダウ平均株価は高値から1,200ドルの下落、日経平均株価に関してもダウ先物と連れ立って、約1,200円の大幅安で値が引ける結果となった。右肩上がりの株価上昇に水を差したのは、アメリカ長期金利の上昇である。
さて、これまでの株価上昇の理由は、ワクチン接種によって日常生活が戻ることへの期待ではなく、コロナ禍から経済が立ち直るまでは緩和マネーを出し続けると言い切って憚らない、FRB(アメリカの中央銀行としての組織)のアナウンス効果であろう。
FRBは、2008年のリーマンショック以降、QEと呼ばれる大規模な金融緩和を継続していたが、実体経済の回復と共に2014年には金融緩和(利下げ)を終え、金融引き締め(利上げ)の段階へと順調に移行していた。しかしコロナショックによって、またも大規模な金融緩和へと引き戻されることになったわけだ。
当初は段階的な利下げを模索していたため、株価の値下げに歯止めがかからなかった。だが矢継ぎ早に政策金利目標をゼロ地点に引き下げ、アメリカ国債や不動産担保証券の購入で実質金利を下げる措置だけに留まらず、さらにはコマーシャルペーパーまで直接購入することを発表したFRBの本気度を見て、株価は確かにV字回復の結果となった。
しかしながら、株価がV字回復した後も、FRBの緩和マネーに関するアナウンスは、ブレることがなかった。もちろん、緩和マネーを出し続けることで雇用を失わせない、企業を倒産させないことは重要であり、決して株価水準を見て金融政策を決めているわけではない。
つまり、「長期金利の下落と株価の上昇は相関関係にある」というファンダメンタルズどおり、FRBの金融緩和による長期金利の下落が長期化すると予想されていたため、株式市場が逆相関となって高騰していただけではある。だがそんな状況下において、何の前触れも無く、アメリカの長期金利が急騰したのだ。
当然のごとく、長期金利の急騰で逆相関関係である株価は暴落となったが、前触れが無かったとはいえ、その引き金となったニュースは明らかである。それは、2月23日と24日の出来事だ。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
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