超効率的・高耐久性かつ安価に水を電気分解する触媒開発 京大

2021年2月19日 08:07

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画像1:京都大学報道発表資料より

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 京都大学は17日、新しく水を電気分解する触媒(以下、水電解触媒)「RuIrナノコーラル」の開発に成功したと発表した。本触媒は、ルテニウム(Ru)に少量のイリジウム(Ir)を加えた合金ナノシートの集合体で、ナノサイズにおける、そのサンゴのような独特の形状から、RuIrナノコーラルと呼ばれている。

【こちらも】人工光合成への応用も 太陽光で働く水分解光電極を開発 東工大など

 このRuIrナノコーラルは安価なルテニウムを基材としながらも、これまでの水電解触媒に比べて、超効率的、高耐久性であり、研究グループでは、水素社会の実現に大きく貢献できるのではないかと期待している。

■水素社会とは?

 現在、地球温暖化対策として、CO2の削減はもはや待ったなしの急務となっている。そこで注目されているのが水素だ。

 水素は、燃やしても全くCO2を排出せず、自動車用の燃料電池、家庭用の燃料電池、将来的には水素発電所などさまざまな分野で活用が期待されている。

 特に、再生可能エネルギーを使って、水を電気分解し、水素を生産すれば、CO2削減効果は大きい。すでに、新エネルギー・産業技術総合開発機構などでは、2020年3月から、福島県浪江町において、太陽光発電を使って、水を電気分解し、水素を生産する世界最大規模の水素製造施設を稼働させ、実証運用している。

■超効率的、高耐久性、安価な水を電気分解する触媒RuIrナノコーラルを開発

 しかし、これまでの水電解触媒はさまざまな問題を抱えていた。例えば、これまでの水電解触媒は白金(Pt)・イリジウム(Ir)などの高価な金属が使われていた。また、水の電気分解は酸性溶液中でおこなわれるために触媒の消耗も早かった。

 研究グループは、安価なルテニウム(イリジウムの1/5~1/16ほど)を基材にしつつ、ナノレベルで、結晶の特定の面(六方最密構造の{0001}面)を露出させた、サンゴのような構造をつくることで、これらの問題を解決した。

 研究グループによれば、これまでの水電解触媒は、水素が発生する電極で白金、酸素が発生する電極で酸化イリジウムが使われてきたが、RuIrナノコーラルは、その両極で使え、しかも、その活性は、白金と同等、酸化イリジウムよりも1~2桁ほど高いという。また、その活性は、1mAcm-2の定電流を固定した状態で122時間継続することが確認されている。

 すでに、このRuIrナノコーラルについて、株式会社フルヤ金属が量産化を検討しており、研究グループではさらにその改良に取り組んでいきたいとしている。(記事:飯銅重幸・記事一覧を見る

関連キーワード燃料電池水素京都大学太陽光発電新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)地球温暖化

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