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昨年7月13日付けの企業・産業欄に、『エーザイの認知症対応薬「今度こそ」の期待』と題する記事を投稿した。
【こちらも】エーザイの認知症対応薬「今度こそ」の期待
エーザイの現行の主力医療医薬品(国際ブランド品)は、「レンビマ(化学治療法歴のない切除不可能な肝細胞がん治療薬)」「ハラヴェン(化学療法歴がある、進行性・転移性乳がん治療薬)」「フィコンパ(抗てんかん剤)」「Belviq(肥満症治療薬)」。総売り上げ収益の4割近くを占め、好収益体制を築いている。前期の「8.2%の増収」に対し「45.7%の営業増益」に反映されている。
だが言葉を選ばずに言えば、こと株式市場のエーザイに対する関心事は国際ブランド品を主軸とした「収益構造」でも「収益動向」でもない。エーザイがバイオジェン社と共同開発した「アルツハイマー型認知症対応薬(アデュカヌマブ:進行を遅らせる)」の期待に尽きる。
が、これまでアデュカヌマブに関しエーザイは「市場の期待を膨らませておいて、梯子を外す」、裏切りを続けてきたという内容だった。
現状でアデュカヌブは、FDA(米国食品医薬品局)/欧州医薬品庁/厚労省に承認申請がなされている。FDAの審査完了目標日は今年3月7日。エーザイの広報担当者は「新たな角度からの治験を求められることもある」とはしながらも、「それでも大きな一歩前進と受け止めてよいか」との問いに「と考えている」とした。3月7日を心待ちにしたい。
そうした状況下で1月24日の読売新聞電子版が、『日本発のアルツハイマー予防薬、来月に治験・・・発症前の人対象に欧米と共同で』と発信した。
米国立衛生研究所(NIH)の資金で発足したアルツハイマー臨床研究機構(ACTC)が主導し、エーザイ独自開発の製品を米・日をはじめ5カ国とEUの1400人を対象に効果を検証するという。商品名は「BAN2401」(一般名:LEBCANEMAB)。エーザイ広報担当者を取材し、以下のようなことが確認できた。
★アデッカヌマブとは別の、アルツハイマー型認知症対応医薬品。
★アミロイドベータ(Aβ:認知症の進行を促す神経細胞の変異が起こる原因の付着たんぱく質)の蓄積が見られるが無症状の、50歳から80歳の男女1400人を対象に治験する。日本人も数十人の参加が見込まれている。
★あえて一口で言えば、アルツハイマー型認知症の予防薬。
Aβが徐々に蓄積し脳細胞が損傷されアルツハイマー型認知症は発症するとされている。予防薬の効果が認められれば、これまた大きな一歩と言える。
25日の日経平均株価は前営業日(22日)比0・67%の上昇、対してエーザイは2・84%。「期待」を背負って引けた・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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