金は堅調推移か 金融緩和の拡大と早期利上げ否定で サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)

2021年1月18日 13:28

印刷

記事提供元:フィスコ


*13:28JST 金は堅調推移か 金融緩和の拡大と早期利上げ否定で サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、金についてのレポートを紹介します。

陳さんはまず、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の発言について『14日、米経済が新型コロナウイルス危機から立ち直るまで時間がかかるため「利上げは当面ない」と明言した。量的緩和策も長期間維持する考えを示し、回復を後押しすると強調した』と伝えています。

『パウエル議長は、インフレ率が昨年のコロナ危機直後に落ち込んだ反動で、今後は上昇圧力が強まると予想した』とのことです。

しかし、『「最大雇用の状態へは長い道のりになる」と述べ、景気の本格回復による持続的な物価上昇にはならないとの見通しを示した』として、『量的緩和策による米国債などの資産買い入れ策では、一部のFRB高官が景気回復を見込んで購入規模の縮小に言及しているが、パウエル議長は「その話をする段階にない」と指摘し、月額1200億ドル(約12兆5000億円)の買い入れペースを落とす考えがないと説明した』と述べています。

ただ、『パウエルFRB議長は追加緩和の必要性までは示唆しなかった』といいます。

また、『コロナ感染直後に失業した2200万人のうち、復職したのは半分強にとどまっている。コロナ危機を受けた経済対策はこれまでに総額4兆ドル規模に上っている。直近では昨年末に9000億ドル(約93兆円)規模の支援策が成立した』と、アメリカの現状を伝えています。

続けて、『14日、バイデン次期政権が新型コロナウイルス危機に対応し、総額1兆9000億ドル(約200兆円)規模の追加経済対策を打ち出すと報じられた。1人最大2000ドル(約21万円)の現金給付やワクチン普及の支援が柱』と言及。

その第1弾として、『昨年末に成立した支援措置に含まれた1人最大600ドルの現金給付を2000ドルに引き上げる』として、『ただ、追加対策を成立させるには、関連法案を議会で通す必要があるため、大型財政支出を批判するする共和党の支持獲得を重視し、追加対策の総額は「2兆ドル以下」になる見通しという』と説明しています。

陳さんは、『パウエル議長が、超緩和策の出口議論に関して「今はその時期でない」と否定したことは、金にとってサポート要因だが、追加緩和の必要性を示唆しなかったことは、金市場にはやや失望を招いた』と分析するほか、『同様に、バイデン次期大統領の追加経済対策は総額1兆9000億ドルとなったものの、当初示唆していた「数兆ドル規模」には物足りなく金相場を押し上げるには材料不足となった』と考察しています。

そして、『昨年12月米消費者物価指数(CPI)が前月から0.4%上昇し、市場予想並みの上昇率となったことはインフレ上昇の兆しと捉えられており、これも金相場を支援しよう』と示唆しています。

『CFTC建玉を見るとファンドの買い越しは、1月5日時点で28万枚に迫っており、直近のボトムである昨年11月下旬より14.5%増加している』としており、『大規模金融緩和とインフレ懸念から押し目買いが優勢な状況が続くだろう』との見解を述べています。

ただ、『金現物投資が減退しているため上昇力には欠けそうだ』と指摘し、金ETFについて『14日時点で1161トンと年初から−2.3%と減少している』と伝えています。

『株価が堅調で米金利が上昇していることから、金現物市場から資金が流出しているようだ』と陳さんは考察し、『今後、金ETFが復活するのはインフレ懸念が強まった時、もしくは株価の上昇にひびが入るときだろう』とみています。

また、『バイデン新政権が来週20日に発足するが、ハネームーン期間である就任後100日は期待感も強く、株式市場も上昇基調が続くだろう』と予想し、『その間、金相場は強材料と弱材料が拮抗するためレンジ相場が続きそうだ』と考察しています。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の1月15日付「【金融緩和の拡大と早期利上げ否定で金は堅調推移】」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコリサーチレポーター 花田浩菜《HH》

関連記事