世界で最も有名なポリグロットが語る「外国語学習のコツ!」

2020年12月30日 08:27

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 スティーブ・カウフマン(Steve Kaufmann)さんは、世界で最も有名なポリグロットと言える。スティーブさんがこれまで学んだ言語は24カ国後。うち英語、日本語、フランス語、中国語など12カ国語は流暢に話せるレベルに達している。スティーブさんについては、下記の記事で詳しく紹介しているので、参考にしてほしい。

【こちらも】脳科学が太鼓判!「多読多聴」から始める外国語学習法

そんなスティーブさんに、台湾で日本語講師を務める志方優さんが、新たに外国語を学ぶ時の効果的な勉強法についてインタビューした動画がYouTubeにアップされている。日本人とカナダ人が流暢な中国語でやりとりするレアな動画だが、字幕がついていて理解しやすい。

下記にインタビューについてポイントを纏めたので、参考にしてほしい。

■言語学習のポイント

1. 外国語を流暢に話せるようになるには、1万~2万の語彙が必要である。母語話者は通常1万~3万の語彙数を持つため、ネイティブと会話を楽しむためには、少なくとも1万前後の単語を覚える必要がある。

2. 多読多聴による大量のインプットが最も効果的な外国語習得方法である。多読多聴のツールは音楽、歌、政治経済など自分が興味関心を持つジャンルのもの。楽しいと強く感じると記憶の定着に繋がる。単語の丸暗記は退屈なので、記憶に残りにくく効率が悪い勉強法である。

3. 語彙は文章の中で覚える。いくつもの異なる文やフレーズの中で、何度も同じ単語に出会うことで、言葉の意味や意義、使い方を理解する。

4. 「忘れる」のは、単語を記憶して定着させるために必要なプロセス。単語を覚えて忘れて、また繰り返し覚えて忘れるというプロセスを経て、記憶に定着していく。忘れるのは決して無駄ではない。

5. 言葉を学ぶということは、文化を学ぶということ。言葉を学ぶ時は、その国の文化を模倣するという点を意識すると効率よく学べる。

6. 多読多聴とは、映画やドラマ、動画のインプットを大量に行う学習方法である。見る時はそれを存分に楽しみ、見た後で文字化して意味を調べて理解する作業を行う。こうすると、より効果的なインプットになる。

 スティーブさんは、外国語を習得するプロセスは2つの段階に分けられると語っている。

 第1段階は、全く話せない状態からある程度話せる状態になるまで。母語と学ぶ言語の近似性によって異なるが、近似性が近ければ3カ月、遠ければ6カ月程度で第1段階はクリアする。

 第1段階で学ぶのは基礎的な言葉や頻出単語のため、覚えやすく、習得のスピードも早いので、達成感を感じやすい。ある程度話せるようになってから、流暢に話せるようになるまでを第2段階と捉えるが、これが長く険しい道のりになる、とスティーブさんは強調する。

 学習初期と異なり、この段階では、異なるジャンルの語彙を膨大に記憶しなければならないためだ。滅多に使わない単語や、専門用語などは覚えにくく、達成感を感じにくい。

 こうした長く辛い第2段階の学習を乗り越えて流暢に外国語を話せるようになるためには、様々な工夫が必要で、それが上記の6つのポイントになるということだ。

 外国語学習者の多くが挫折するのは、第2段階に入ってからの長く険しい道のりを歩み続けることが困難であるためだ。これを乗り越えるためには、継続が可能で効果的な学習方法を選択する必要がある。スティーブさんの成功体験から多くのことが学べるであろう。

下記の記事では多読の効果についても詳しく説明しているので、参考にしてほしい。

多読は外国語習得に効果絶大!多読で得られる5つのメリット(記事:薄井由・記事一覧を見る

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