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仮想通貨で副業 相対取引とは?
副業で仮想通貨投資を考えている人の中には、「相対取引」や「OTC取引」という言葉を目にしたことがあるかもしれない。この相対取引は、他にはない魅力がある仮想通貨の取引方法である。本記事では、仮想通貨の相対取引について紹介する。
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■仮想通貨の相対取引とは?
仮想通貨市場における「相対取引(OTC取引とも呼ばれる)」とは、取引所を介さず、売り手と買い手が直接価格を合意して取引を行う方法だ。
取引所に上場されている価格に左右されず、当事者同士で条件を決定する点が特徴である。特に、大口の資産を動かす投資家や法人に好まれる傾向がある。
仮想通貨の相対取引には、主に2つのやり方がある。
一つは個人間で行う方法で、SNSやインターネット掲示板を通じて相手を探すケースだ。ただしこれは、詐欺やトラブルのリスクが高く、十分な注意が必要である。
もう一つは、OTCブローカーや仮想通貨取引所が提供する専用サービスを利用する方法だ。こちらは信頼性が高く、取引記録が残るため、税務対応の観点でも有利だろう。
相対取引には、大きく3つのメリットがある。相対取引は、取引所を通さないため、スプレッドや取引手数料を抑えられる場合がある。
次に市場に影響を与えずに大量の仮想通貨を売買できるため、価格変動を避けやすいのも利点だ。そして取引の柔軟性が高く、当事者間の合意次第で条件を調整しやすい点も魅力である。
一方で、仮想通貨の相対取引には、デメリットもある。特に個人間取引では、価格の妥当性や支払いの安全性に不安が残るケースが多く、詐欺被害のリスクがあるのだ。
また取引内容が非公開となるため、透明性が欠如し、価格形成の参考になりにくいという側面もある。さらに、税務申告時に取引履歴が不十分だと、後の申告漏れや過少申告リスクにつながる可能性もデメリットに挙げられる。
■違法行為や詐欺に巻き込まれるリスクがある
仮想通貨の相対取引は、原則として違法ではない。ただし取引の方法や相手、使用するプラットフォームによっては、違法行為に関与してしまうリスクがある。
たとえば、本人確認(KYC)を行っていない相手との高額な仮想通貨取引だ。これは、資金洗浄や詐欺の温床となる可能性があり、犯罪収益移転防止法などに抵触する恐れがある。そのため信頼性のあるサービスを利用し、取引記録をしっかり残すことが重要だ。
また「相対取引」と「OTC取引」は、しばしば同義に扱われることがある。だが厳密には、ニュアンス違いがある仮想通貨の取引方法だ。
相対取引とは、売り手と買い手が直接条件を交渉して行う取引の総称である。一方でOTC(Over The Counter)取引は、その中の一形態で、主に専門業者が仲介する取引を指す。OTC取引は制度的に整備されていることが多く、安全性や透明性が比較的高いのが特徴だ。
それから、仮想通貨の相対取引は、税金面についても注意が必要である。仮想通貨の相対取引による利益は、原則として「雑所得」として課税対象になる。
年間20万円を超える利益がある場合は、確定申告が必要だ。個人間取引で記録が不十分な場合、所得の把握が困難になり、税務調査時に不利になる可能性がある点には、特に注意していただきたい。
複数の通貨やウォレットを利用している場合、損益の計算が煩雑になるため、取引履歴は可能な限り詳細に保管しておくのがおすすめである。
相対取引で得た利益を正しく申告するためには、専門知識が求められる場面も少なくない。そのため、必要に応じて仮想通貨に詳しい税理士に相談するのがいいだろう。また国税庁や金融庁の公式サイト、あるいは税務署が提供する無料の相談窓口など、公的な情報源も合わせて活用していただきたい。
自己判断で処理を進めると、申告漏れや過少申告による追徴課税のリスクが生じるため、くれぐれも注意が必要だ。
以上のように、違法となるケースや税金面に注意は必要なものの、仮想通貨の相対取引にはメリットがある。副業として仮想通貨を考えている場合、検討する価値のある取引方法の一つと言えるだろう。(記事:西島武・記事一覧を見る)
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