NYの視点:今週の注目:英EU通商交渉、パウエルFRB議長講演、米10月PPI、CPI

2020年11月9日 07:37

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記事提供元:フィスコ


*07:37JST NYの視点:今週の注目:英EU通商交渉、パウエルFRB議長講演、米10月PPI、CPI
シカゴ先物のデータによると、投機家や投資家の円の買い持ち高は前々週から増加した。

今週は引き続き大統領選開票の行方や欧米での新型ウイルスの拡大、ワクチンの開発動向を睨む展開となる。また、米国ではインフレ指標に注目。10月雇用統計の結果で、予想を上回る労働市場の改善が明らかになった。9月JOLT求人指数でさらに労働市場のスラックを判断する。また、連邦準備制度理事会(FRB)は先週の連邦公開市場委員会(FOMC)で大規模緩和を維持。声明では、「新型コロナウイルスは経済の見通しに著しいリスクになる」と悲観的な見通しを示した。パウエルFRB議長は最近の新型ウイルスの再流行に特に懸念を表明する一段のハト派姿勢を示したが、議長はECBのフォーラムで講演を予定しており、追加緩和の可能性を探る。

米国ではまた大統領選では民主党のバイデン候補が優勢となっている。パンデミックで、郵便投票が拡大したため、不正投票の疑惑にトランプ政権は激戦州に対し法的措置を計画しており、不透明性はしばらく存続する。また、ジョージア州で上院の決選投票が行われる可能性が出てきており、上院でも民主党が過半数を占める可能性は依然残る。民主党が政権、議会を掌握した場合、増税や規制強化、憲法改正を含め急進的な政策変更が可能になることが脅威となる。

欧州諸国のほとんどが、何らかの外出規制を強化。第3四半期にリセッション脱出も、第4四半期に再びマイナス成長に落ち込む可能性も除外できずユーロの上昇も限定的か。

さらに、大詰めを迎える英国と欧州連合(EU)の通商交渉の行方にも注目。英国のジョンソン首相と欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長が7日に電話会談を行う予定。交渉前進期待が広がっておりポンドを支える。同時に、ジョンソン首相はインタビューで、「合意を期待してる」としたものの「合意ない離脱にも備えている」としており、予断を許さない状況は続く。

■今週の主な注目イベント

●米国
9日:メスター・クリーブランド連銀総裁が講演
10日:9月JOLT求人指数、クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長が上院銀行委でSECの監督に関し証言、カプラン米ダラス連銀総裁が講演
11日:ベテランズデーで国債市場は休場
12日:10月消費者物価指数、週次新規失業保険申請件数、パウエルFRB議長がECBフォーラムで講演
13日:10月生産者物価指数、ミシガン大学消費者信頼感指数、ブラード・セントルイス連銀総裁が金融政策に関し講演、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が講演

●欧州
9日:英国と欧州連合(EU)の通商交渉
11日:ラガルドECB総裁が講演
12日:ラガルドECB総裁がECBイベントで講演

●英国
_9日:英国と欧州連合(EU)の通商交渉、ベイリー英中銀総裁講演

●中国
10日:10月PPI、CPI

●地政学的リスク
ベネズエラ
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
シリア
イエメン
香港《FA》

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