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バイデン政権下で自動車業界は? (1) CASEで解決できないZEV実現にどう対処?
アメリカ大統領選が決着すると、アメリカの政策が大きく変化することとなる。これまでのアメリカの政策が、常識からすると特異な方針であった部分が多く、短期的にはともかく中・期でみるとアメリカの国益になるかも不明瞭な動きが続いていた。特に対中国政策においては、貿易問題から戦争になる危険まで考慮しなければならない可能性があった。
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今後、順調にバイデン政権になれば、自動車産業で一番に注目しなければならないのは「環境問題」であろう。副大統領時代からバイデン氏は環境問題に熱心で、「アメリカの現在の一番の問題は環境対応である」としている。新型コロナウイルスの感染拡大に対応するのは喫緊の問題として、中期的に対応が急がれる「地球温暖化対策」は「もう時間がない」ところまで来ているとの認識であろう。
すると、まず自動車産業としてはCASEなどと言っている場合ではない。バッテリーのエネルギー集積率の性能向上が大幅になされない限り、またリサイクルシステム・発電エネルギー改革が描けない限り、ZEV(炭素バランス車:zero emission vehicle)を成し遂げる方法論としては、在来のBEV(バッテリー駆動)では対応できないことも明白だ。すると、日本の菅首相が発表したように2050年までにZEを成し遂げるとすると、技術的に大きく転換が必要だ。
『CASE:Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)』といった動きの中ではShared、Electricしか環境対応策になっていない。Sharedは、そもそも自動車保有台数を減らすことが出来るため環境対策になるが、自動車産業の雇用の問題が発生する。Electricは現在、CO2排出対策の切り札のように言われているが、発電での対策が進まないと解決にならない。
さらに深刻なのは、BEVによって自動車産業で雇用が半減する可能性があることだ。産業政策として、欧州・日本・アメリカはこれを見逃すことはできないだろう。トランプ大統領の支持基盤と言われた「ラストベルト」の失業者をさらに増やすことになるのだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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