科研製薬が原発性腋窩多汗症治療剤「エクロックゲル5%」の国内製造販売承認を取得

2020年9月26日 08:51

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■抗コリン剤に分類される日本初の原発性腋窩多汗症用の外用剤

 科研製薬<4521>(東1)は25日、原発性腋窩(えきか)多汗症治療剤「エクロックゲル5%」(一般名:ソフピロニウム臭化物)について、「原発性腋窩多汗症」の効能・効果で製造販売承認を取得したと発表した。

 原発性腋窩多汗症は、腋窩(わきの下)から温熱や精神的負荷の有無に関わらず大量の発汗を生じる疾患であり、患者は日常生活に支障をきたすとともに精神的な苦痛を受けるとされている。

 同剤は、神経伝達物質であるアセチルコリンの作用を阻害する抗コリン剤に分類される日本初の原発性腋窩多汗症用の外用剤である。アセチルコリンはムスカリン受容体と結合することにより、汗腺から発汗を誘発すると考えられており、同剤は多汗症の原因となるエクリン汗腺のムスカリン受容体と結合することでアセチルコリンの結合を阻害し、発汗を抑制する。1日1回の両腋窩への塗布で効果が期待でき、塗布の際にアプリケーター(塗布具)を用いることで手が薬液に触れることなく塗布が可能である。

 同社は、2015年3月にBrickell Biotech,Inc.(米国コロラド州)と原発性局所多汗症を対象に開発していた「ソフピロニウム臭化物」の日本とアジア主要国をテリトリーとした独占的ライセンス実施許諾および共同開発に関する契約を締結し、日本国内で開発を進めてきた。

 今回の製造販売承認は国内第Ⅲ相臨床試験の結果に基づくもので、この試験では原発性 腋窩多汗症患者を対象として、実薬群(141例)と基剤群(140例)との多施設共同、ランダム化二重盲検比較試験を実施し、6週間投与時の有効性と安全性について検討を行った。その結果、主要評価項目である「治療終了時のHDSSが1又は2であり、治療終了時の両腋窩合計発汗重量のベースラインとの比が0.5以下の被験者の割合」は基剤群に対し、実薬群で有意に改善した。主な副作用は適用部位皮膚炎、適用部位紅斑及び適用部位そう痒感だった。 なお、海外においては、米国でBrickell社が今年第4四半期に第Ⅲ相臨床試験を開始する予定としている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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