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コロナショックでバリュー株投資は終焉!?
●バリュー株を探せない?
コロナショックで、バリュー株投資が不利となっている。PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)の指標を用い、割安な株に投資することがバリュー投資の魅力だ。
【こちらも】コロナショックでも衰えない個人投資家の長期積み立て投資
コロナ禍では、業績が悪化している企業は多く、先行きを見通せない状況では、バリュー株の見極めも難しい。PERが割安でも、収益が上がっていないのに株価だけが異常に上がっている現状では参考にならず、PBRは純資産が指標なので、もっと先の長期的な視点でしか判断はできない。
バリュー株を探すには、判断が難しい。
●減っている上場企業
米国の上場企業数は1990年代半ばから、半数まで減少を続けている。背景には、この期間の10年もの国債の金利が下がり、低金利がM&Aを活発化していることがある。
買い手企業の借り入れコストが下がって資金調達がしやすくなることで、支払い余力が増し、買収がしやすくなる。
上場企業の負債の増加も約10兆ドルと深刻で、GDP比でもリーマンショック後の2009年以降最高の水準になっている。
●バリュー株投資は終焉か?
ロビンフッダー現象や給付金バブルの投資家よりも、初心者投資家などの“投機家”が増えているコロナ後の市場では、バリュー投資は廃れがちになる。
FRBが2023年末まで実質ゼロ金利を維持する方針を決めたが、低金利で投資資金を調達しても、高利回り高リスク投資やハイリスクなベンチャー企業へのIPO投資が主流となるだろう。
最近の株式公開ラッシュは、新たなバリュー投資をするには絶好の機会のはずだが、今年に入ってIPO(新規株式公開)した事業会社の80%はまったく利益が上がっていないという情報もある。
バリュー投資は景気後退期に強いと言われてきたはずだが、システムトレードなどの発達でファンダメンタルに関係なく相場が動き、指標などもインターネットやSNSで簡単に情報が取れる時代には通用しないという意見もある。
一方で、大化けする小型株がまだまだあることは間違いなく、従来型のオーソドックスなバリュー投資の選び方ではなく、それぞれが新しい基準で選別することが重要になってくるだろう。 (記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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