霞ヶ関キャピタルに見る新興市場の不動産関連株の魅力

2020年9月3日 16:51

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霞ヶ関キャピタルが手がけたアパートメントホテルの完成イメージ。(画像: 霞ヶ関キャピタルの発表資料より)

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 霞ヶ関キャピタルは2011年、東日本大震災で被災した宮城県のショッピングセンター「フォルテ」の再生を目指して設立された。現在もフォルテを保有する。

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 設立後は、事業拡張を進めている。13年に自然エネルギー事業に着手。14年からは不動産コンサルティング事業も手掛けている。7年目となる2018年には東証マザーズ市場に上場。

 舵取人は社長の河本幸士郎氏。明豊ファシリティワークス(東証1部)から不動産関連事業のキャリアをスタート。ビルの所有者などをコンストラクション・マネジメント(建設の各段階で、企画・品質・コスト等の管理面でサポートする)を経て、ファンド部門へ。08年のリーマンショックも乗り越えて、「景気変動の辛酸を味わいながら、業務を一通り経験してきた」という。

 そんな中で起こったのが東日本大震災だった。河本氏はこう振り返っている。

 「被災で大きなダメージを受けた中で、復興には多くの資金供給が必要でした。しかしファンドはこのような案件には手をつけづらい。そこで現会長の小川(潤之)と投資家から資金を集めて、『フォルテ』再生を目指して起業したのが当社の始まりとなった」

 こうした経緯で、霞ヶ関キャピタルは生まれた。事業展開の方針として「成長性のある事業分野×社会的意義のある事業」を掲げている。不動産ビジネスにより、社会的課題への寄与を目指すというわけだ。

 現在手掛けているアセットは自然エネルギー、保育園、アパートメントホテル、物流の4部門。用地を仕込み土地に合ったプランニングを作成。その後、投資家に売却しファンドマネジメント・プロパティマネジメントを行っている。

 河本氏は一連のアセットに取り組む理由として「事業を通じた社会的課題解決への寄与が可能」と再三強調している。

 たとえばアパートメントホテル。霞ヶ関キャピタルが展開するのは1部屋に4人から最大8人までが宿泊できるホテル。これまで訪日観光客需要からホテル開発が多く進んできた。が、グループで宿泊できる部屋が不足していた。グループで宿泊ができるホテルの開発。それがひいては地方創生に役立つ。

 「当社がプランニングするアパートメントホテルではグループ宿泊が可能で、ADR(平均客室単価)は1万円で設定している。物件は客室面積が広く、低料金で宿泊できる。これまでのホテル市場では供給がなかったタイプ。それだけ需要に期待が持てる。そこを深耕していきたいと考えている」

 ホテルはいまコロナ禍の影響を受けている。河本氏は「新型コロナウイルス収束後の回復が見込める。回復前でも国内のマイクロツーリズムなどの需要は取り込んでいきたい」と今後の方向性を見定める。一部物件については自社でのオペレーションに乗り出していく。ブランド名も「ファブ」に統一。サービス内容も各ホテルで共通の水準にしていくという。

 また「自然エネルギー」や「保育園」にも力を入れる。自然エネルギーに取り組み始めたのは、「フォルテ」の屋上に太陽光発電施設を設置したことがきっかけ。創業期から成長軌道に乗り、そして現在までのアクセル役となっている。

 そして今後の成長のアクセルとなっていくことを期待しているのが「物流」。

 6月1日付で物流事業部を設立した。物流施設の開発・投資・運用を中心に事業を展開していく。すでに土地の仕込みなどに着手している。

 物流施設への展開を構想したのは19年頃から。ECの広がりなどで、エンドユーザーに配達するまでの中継地点となる中小型物流倉庫の供給が追い付いていなかった。そこに着目、注力するという。

 新興市場の不動産関連企業、着目に値する企業が目立つ。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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