やぶさ2で行われた軌道改良とは? リュウグウに着陸させた技術

2020年7月9日 17:21

小

中

大

印刷

LIDARによる測距値とONC-W1カメラの輝度データで、はやぶさ2の軌道修正が可能に。画像:RISE惑星探査プロジェクトの発表資料 (c) 国立天文台

LIDARによる測距値とONC-W1カメラの輝度データで、はやぶさ2の軌道修正が可能に。画像:RISE惑星探査プロジェクトの発表資料 (c) 国立天文台[写真拡大]

写真の拡大

 小惑星リュウグウからサンプルを持ち帰る目的で打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」。研究者たちは、リュウグウに向かう途中ではやぶさ2の軌道がずれていることに気づいたという。国立天文台は、はやぶさ2の軌道を修正する手法を発表している。

【こちらも】小惑星リュウグウの表面年代、人工クレーター生成実験で推定 JAXAなど

■直径わずか1キロメートルの小惑星

 地球の近傍にあるリュウグウは、炭素質から構成される小惑星だ。地球上の生命の起源と考えられる炭素質を含むことから、この小惑星からサンプルを持ち帰るミッションが宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって計画された。

 リュウグウ表面からサンプルを収集するためには、はやぶさ2は直径わずか1キロメートルのリュウグウにタッチダウンする必要がある。目的地点にタッチダウンすることや、リュウグウを正確に観測するためには、探査機の位置と姿勢の情報が必要になる。

 はやぶさ2ミッションには、月周回衛星「かぐや」ミッションに携わった国立天文台水沢のRISE月惑星探査プロジェクトが関わっている。位置の誤差が数百メートルであった点は両者とも似ているが、リュウグウの大きさを考慮した場合、位置の誤差はタッチダウンに大きく影響する。

■高度計とカメラでより正確な軌道を実現

 研究グループは、レーザー高度計LIDARから取得されたデータと、はやぶさ2に搭載されたONC-W1カメラが取得したイメージトラッキングデータを用いることで、リュウグウに対するはやぶさ2の軌道を改良しようとした。

 LIDARは、レーザーを使いはやぶさ2とリュウグウの表面間の距離を測定できる。測距値をリュウグウ表面の地形に合致させてはやぶさ2の軌道を改良するが、形がよく似た別の場所を同定し不正確な軌道が推定されるケースがあったという。そこで研究グループは、ONC-W1カメラのイメージトラッキングデータを軌道修正に活用したという。

 カメラの撮影では、リュウグウ表面の太陽に照らされる部分が白くなり、影になる部分は黒く写る。この輝度情報を用いることで、カメラがどの方向を向いているかが判明するという。2つの装置を用いることで、大幅な軌道修正が可能になった。

 研究グループは、本手法が別の小天体ミッションへの活用が期待されるとしている。

 研究の詳細は、Earth, Planets and Space誌に6月12日付でオンライン掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

関連キーワード国立天文台宇宙航空研究開発機構(JAXA)はやぶさ2リュウグウ

関連記事

広告

財経アクセスランキング

広告

写真で見るニュース

  • 画像はイメージです。
  • 一般的な平面駐車場 ©sawahajime
  • マイナーチェンジを受けたトヨタ・RAV4(画像:トヨタ自動車発表資料より)
  • キャデラック・リリック(画像:ゼネラル・モーターズ発表資料より)
  • (c) 123rf
  • ジャンプスタートのイメージ。
 

広告

ピックアップ 注目ニュース