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日産自動車とアライアンスを組む3社の動きを見ていると、トヨタのTNGAに相当する動きはこれからだ。努力する方向性がこれからは正しくなる期待はあるが、今まで経営陣に、「クルマは造り方を売っている」との認識がなかったのであろうか。
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また、グローバル経営者の関心が、ホンダを含め「造り方」に向いていなかったことは明らかだ。短期の利益を求めるアメリカ式のグローバル経営では、自動車製造業の長期経営では通用しないことが明白になってきている。
日産は、これから早期にリストラをしなければならない。それは、これまで「生産の柔軟性」を追い求めてこなかったことの傷を従業員が背負うことになったということだ。「製造業のビジネスモデル」の理解をしなおすことが必要だ。
経営陣は、「造り方は現場の仕事」との認識を改める必要がある。それには、先日発表された「インテリジェント・ファクトリー」構築を前倒しするのだ。しかし、その発表をトップが行うこともなく、これも現場の努力に頼るしかないのだろうか?それでは到底、今回の危機には間に合わない。
■トヨタ「TNGA」の実力が試される
それに対して、トヨタ自身の予測通り、営業利益を80%落としても「今期赤字転落」をしなければ、「TNGAの実力」を認めざるを得まい。はたして、大幅な売り上げダウンと長期にわたる断続的なロックダウン(日本では外出自粛要請)が続く、今回の新型コロナウイルスによるパンデミックの減産は、「生産技術的システムの進歩」のレベルで吸収できるだろうか?
もし、「TNGA」のメカニズムがそれほどの柔軟性を持つことが出来たなら、1980年代に世界の製造業が日本の経済成長に驚き、特にアメリカのビッグ3が「トヨタかんばん方式」を「リーン生産方式」と呼んで研究し始め、その脅威に気付き始めた時と同じことが起きるのかもしれない。
その時は、再び「TNGA」が「世界の製造業のスタンダード」となるのは間違いない。また、現在すでになりつつあるようだ。特に、「自動車産業を金融知識で経営していける」と考えてきた経営者・管理職には、自動車製造業の「ビジネスモデル」を考える教材となるであろう。
そして、M&Aを基本として規模拡大の戦略で出来た“1000万台クラブ”の1つ、「ルノー・日産・三菱自動車」の3社アライアンスの在り方を考えるにも良い基準となるはずだ。
新型コロナウイルス感染拡大によって産業構造の基本から揺るがされる事態となり、金融も「この基本的産業構造」がしっかりしていなければ成り立たない知識であったことを確認すべきだ。つまり、正しい「ビジネスモデル」の在り方だ。
3社アライアンスはこのところ急速に一体化を目指しているようで、体質の改善を図りつつあるが、むしろ急速に壁を乗り越えるきっかけとなるのであろうか。日産には最近立案したインテリジェント・ファクトリー構想があるが、その実現を前倒しにする必要があるだろう。
新型コロナウイルス感染拡大を経済界が乗り越えていける方策が必要だが、中国、韓国、ドイツ、イタリア、アメリカなど、世界中で外出規制緩和に乗り出し、日本も緩和の方向である。が、「集団免疫」がない現状では、緩和すればまたクラスターが発生する可能性は高い。
それでも、経済活動を早く始めた国が、これからの世界の覇権を握る可能性が高くなることもまた明確であろう。中国が世界に対する医療的援助を「てこ」とした外交を見れば、アメリカが焦るのも分かる。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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