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マツダ、ホンダ、日産、生き残れるのか? (8) 日産はフランスに? 今期決算予測はトヨタのみ
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■2020年3月期決算発表、今期決算予測はトヨタのみ
トヨタ自動車は5月12日、2020年3月期(2019年4月~2020年3月)の決算を公表したが、トヨタは前期に比べ連結売上高は1%減、連結営業利益は1%減である。売上高と営業利益が同じ程度減であることは驚きだが、新型コロナウイルス感染拡大の影響は4月以降に本格化しているはずで、本格的減産の問題はこれからだ。
【前回は】マツダ、ホンダ、日産、生き残れるのか? (7) 不確実だが、交通システムも使い続けている
マツダは、対前年比売上高3.8%減 、売上げ利益47%減となっており、(2021年3月)今期予測は出ていないが深刻であろう。日産自動車は生産能力の2割削減を決めており、ルノー・日産・三菱の3社連合を強めて危機を乗り越えようとしている。フランス政府との駆け引きはどうなっているのだろうか。日産が3社連合から抜け出すことは不可能に思える。
逆にホンダとの提携なども視野に入れられればと思うが、生産方式を3社連合で統一していく流れに逆らうことはできず、難しいであろう。考えられるのは、資金に行き詰り、ルノーを通じてフランス政府の援助で資金調達する道を提示され、アライアンス契約を変更され、フランス政府に支配される道筋が中期的に出来上がることだ。安倍政権に日産を保護する余裕はないと見えるからだ。
これは危機をあおっているのではない。現実を正面から見つめているのだ。企業経営では、「最悪のストーリーに備える」ことが基本となる。この原則が意外に受け入れられていないようだ。
「危機管理」の基本を守り、防疫の専門家たちが見込んでいる「最悪のストーリー」と、このまま新型コロナウイルス感染終息が訪れる「最良のストーリー」の幅の中で対策するのが基本だ。
しかし、第2波の可能性など繰り返す感染拡大が常識のようだ。これを前提に、前期の自動車企業の決算を考えると、トヨタでさえ赤字転落が視野に入ってくる。
2020年3月期(2019年4月~2020年3月)の決算において、新型コロナウイルス蔓延の影響は2~3月でこれだけの損害を受けているのであり、4月以降の本格的な「ロックダウン(日本では法的意味は違うが本質的に自粛による機能とは同じ)」で世界の市場が受けた損害は莫大だ。
さらに、トヨタの予測通りに回復する見通しは、防疫の専門家によると暗いのである。トヨタの発表では営業利益が今期80%減と予測しているが、この前提条件にも疑問を持つべきなのだ。恐らく、トヨタも幅を持って設定していることだろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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