恐怖指数(VIX)で市場心理を見抜く

2020年3月30日 11:19

印刷

 新型コロナウイルスの感染拡大の収束が見えない世界市場にあって、恐怖指数(VIX)は注目の指数だ。株価指数や先物指数が乱高下し先行きが見えない中で、投資家の市場に対する恐怖の心理を数値化するVIX指数は、投資をするのに大いに参考にできる。

【こちらも】恐怖指数(VIX)連動銘柄のススメ

 通常、30を超えると相場の変動が激しく恐怖が高まる警戒ゾーンと判断できる。昨今の新型コロナウイルスの感染拡大下では80を超える局面もあり、2008年のリーマンショック以来の相場状況となっているため特に注目されている。

 そして、このVIX指数に連動する金融商品もある。国際のETF VIX短期先物指数(銘柄コード:1552)はVIX指数が上がるほど株価も上がる仕組みのETFだ。日足を見てみればわかるが、この1カ月で5000円付近から25000円を超える勢いで価格が伸びている。

 投資家のその時々の心理をあらわすので当然ボラティリティは激しい。長期で保有することには向かないので気をつけた方がいい。

 以上は、米国ダウのVIX指数だが、日経のVIXも用意されている。https://nikkei225jp.com/data/vix.phpのサイトでは、終値ベースであるが米国だけでなく、日本、欧州も指数を確認することができる。

 2月末から見ると日経も30を超えてきているが、米国ほど指数は高まっていない。最高でも60ほどだ。もはや、この程度と言ってしまうほど感覚がおかしくなっている相場状況だが、日本は感染者が抑えられているおかげか、VIX指数は欧米に比べて低い状況にある。

 平時は日本の株価は米国と連動すると言われてきたが、最近の相場ではダウが下がっても、日経平均が上がることがあるのは、このような側面からも見てとれるのかもしれない。投資のためのツールとしてしばらくはVIX指数が役に立つはずだ。

関連キーワード

関連記事